「北の国から資料館」8月末に閉館 老朽化、来館者減少で

[ 2016年5月13日 12:01 ]

8月末に閉館する、「北の国から資料館」の館内の様子

 北海道富良野市を舞台にした人気ドラマ「北の国から」の小道具やロケセットなどを展示する「北の国から資料館」(同市)が8月末で閉館することが13日、分かった。施設に利用してきたJR富良野駅前の倉庫が老朽化したことや、来館者の減少が理由という。

 資料館は、ドラマの登場人物のモデルにもなった富良野市の木材会社社長仲世古善雄さん(73)が私財を投じ、住民らと運営してきた。脚本家の倉本聡さんが内装をデザインした館内に、俳優田中邦衛さんが演じた主人公黒板五郎が暮らした家の室内のロケセットが再現されているほか、小道具や衣装、倉本さん直筆の脚本原稿など約500点を展示している。

 1995年に夏季限定で開館。ドラマ完結編の「2002遺言」放送後、2003年6月から通年営業を始め、その後の来館者は約62万2千人に上る。

 仲世古さんによると、放送開始から30年以上がたち、来館者は年々減少。夏休みシーズンやゴールデンウイークには数百人が来館する日もあったが、冬は2、3人だけの日も。冬場の燃料費や照明代がかさみ、年間の維持費は約1千万円にも上るという。

 「若者の来館者もおり、広い世代に共感されるドラマ」と仲世古さん。閉館は苦渋の決断で、今後、別の形での展示を検討したいという。

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2016年5月13日のニュース