宇賀なつみアナ コンプレックスだったアルトの声 今では武器に

[ 2016年3月22日 08:05 ]

日々の仕事について話をする宇賀なつみアナ

 テレビ朝日の宇賀なつみアナウンサー(29)が「朝の顔」として人気だ。親しみやすく男女ともに愛されるキャラクター。小6の時に既に1メートル61あった身長は成人して1メートル64で止まったが、高校時代に応援団も経験した個性の豊かさは無限大に広がる。その魅力の源の「自然体」と「好奇心」に迫った。

 自然体の魅力を支えているのが旺盛な好奇心だ。

 「就職活動の面接の時に恥ずかしかったんです。私は興味があちこちにあり過ぎて、やってみてある程度できるようになったら次、またできるようになったら次とフラフラしてきました。なんか“長続きしない子”みたいじゃないですか…」

 小学生の時は長身を生かして地域のバレーボールの選手をやりながら学校のクラブ活動はバトン部だった。12歳までの8年間ピアノを習っていたが、中学で入った吹奏楽部では「女性が叩くと格好いい」と打楽器を担当した。

 極め付きは男女共学の高校時代の応援団だ。「チアガールをやって野球の応援をするのが楽しそう」と入団した。

 「入ったら全然違いました。チアガールの格好をするのは甲子園の予選の時だけだったんです。体育会の応援団で、練習が厳しくて、 特に体育祭の前は朝練、昼練、放 課後練、夜練と一日中練習してました。女子は扇を使って演舞するんですけど、手を上げていくのと同時に腰を下げていくという動きが大変で本当に腰が痛くなりました。声が小さいと先輩に怒鳴られるんです。声はハスキーになっちゃうし、何度もやめたいと思いました」

 最近、当時の応援団長と再会する機会があり、その元団長から「おまえ、夢をかなえたんだなあ」と感嘆された。自身の記憶にないことだったが、元団長によると、2年生の時に「私は応援団をやめたいんです。将来アナウンサーになりたいので、こんなに声がかれたら駄目なんです」と告げたのだという。

 「全然覚えてないんですけど、アナウンサーになれたらいいなという気持ちはあったんでしょうね。今、朝早くから夜遅くまで仕事をしてお休みがない状況でも、あの時の練習ほどつらいことはありません。やめずに続けて“これが青春”と思えるものが一つ残って良かったです」

 応援団で低くなった声はコンプレックスだったが、テレビ朝日の面接の際に「ニュースを読んだ時、一番聞きやすいアルトの声」と褒められた。

 「今は、与えられた仕事の中でもっと成長したいという気持ちが強いです」

 夢だったアナウンス業に没頭する小気味よさは毎朝画面からも伝わってくる。

 ◆宇賀 なつみ(うが・なつみ)1986年(昭61)6月20日生まれの29歳。東京都出身。立教大学社会学部卒業後、2009年4月にテレビ朝日に入社。「報道ステーション」のお天気キャスターを経て11年8月から同番組のスポーツキャスターに。14年3月から「グッド!モーニング」のキャスター。15年10月から「羽鳥慎一モーニングショー」のアシスタントを務めている。

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