「蒸発」「Wの悲劇」「検事霞夕子」…作家・夏樹静子さん死去

[ 2016年3月22日 05:30 ]

死去した夏樹静子さん(2007年3月撮影)

 「蒸発」「Wの悲劇」などの推理小説で知られる作家の夏樹静子(なつき・しずこ、本名出光静子=いでみつ・しずこ)さんが19日に急性心不全のため福岡市の病院で死去していたことが21日、分かった。77歳。東京都出身。自宅は福岡市南区。葬儀・告別式は25日正午から福岡市内の斎場で営まれる。喪主は夫芳秀(よしひで)氏。

 1938年(昭13)東京生まれ。慶応大在学中から執筆活動を始め、NHKテレビ「私だけが知っている」のシナリオを手掛けたが、結婚を機に福岡市に移る。長女を出産した感動を形にしようと、いったんやめていた創作を再開。73年に「蒸発」で日本推理作家協会賞を受賞した。

 実業家一族に起こった殺人事件を描いた「Wの悲劇」はベストセラーとなり、薬師丸ひろ子(51)主演で映画化。「検事霞夕子」「弁護士朝吹里矢子」のシリーズがテレビドラマになるなど、人気作家の地位を築いた。「第三の女」のフランス語訳で、フランスのロマン・アバンチュール賞。日本ミステリー文学大賞も受賞した。

 93年に心因性の激しい腰痛に襲われて断筆。潜在意識と向き合う療法で劇的に回復した。闘病体験を「椅子がこわい」などに記した。

 司法制度への造詣が深く、長編「量刑」や、裁判員裁判を題材にした「てのひらのメモ」などを残した。

 ▼作家・森村誠一さん 非常にショックを受けている。夏樹さんと僕は、日本推理作家協会賞を同時に受賞した「同期の桜」。その贈呈式のとき、2人で並んでいるのを見た選考委員の菊村到さんに「結婚式のようだ」と言われ、うれしかったのを覚えている。「蒸発」「天使が消えていく」「Wの悲劇」が好きで、心に深く刻まれている。また、松本清張さんに匹敵するような緻密な取材をしていて、とてもかなわないと思った。

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