「少子化対策担当相」適任は橋下氏?7人の子の父、政策も首相寄り

[ 2015年9月22日 08:30 ]

橋下徹大阪市長

 自民党総裁選も無投票で乗り切り、国民の約8割が審議不足としているのにもかかわらず強行採決で、安全保障関連法を可決・成立させた安倍晋三首相。大仕事を終えてほっと一息…とはいかないようだ。次は内閣改造と自民党役員人事の検討に着手する。

 その人事の中で、識者が注目しているのが「少子化対策担当相」が誰になるのかということ。2007年の第一次安倍改造内閣時に設けられたポストで、現在は自民党の有村治子参院議員が務める。自民党政権下だけでみると、これまで4人が就任しているが、いずれも女性議員。当選回数が少ない議員もおり、入閣漏れした男性ベテラン議員からは、職場ならぬ「内閣の花」とも揶揄(やゆ)されてしまうほど。

 国の根幹にもかかわる少子化問題は待ったなしの状態。特殊出生率は05年に過去最低となる1・26を記録して以降、やや上昇傾向にあるものの14年は1・42。将来の人口を維持できる水準は2・07なので、目標にはほど遠い。さらに、いま生まれた子供たちが生産年齢に達するのに、少なくとも20年はかかる。せっかく大臣がいるのに抜本的な改善策を打ち出せておらず、定着させられた事と言えば「イクメン」の言葉くらい。

 そんな大役を「(大阪維新の会の代表で)大阪市の橋下徹市長にやらせてみたら面白いんじゃないか」とある自民党関係者は笑いながら話した。橋下氏といえば高校の同級生だった妻との間に、7人の子どもがいる“ビッグダディ”で「実績は十分」というのがその理由。さらに政策に関しては安倍首相とも考えが近い。官僚たちの抵抗にあっても、強いリーダーシップで突き進んでくれるイメージもある。

 ネックは、5月の大阪都構想の是非を問う住民投票で敗れた際に出した引退宣言。それも「民間起用ということにすれば理由がつく。本人にとっても悪い話ではないでしょう」とニヤリ。

 橋下氏は任期満了(12月18日)まで責務をまっとうする。短期間でも任期がかぶる時期があるため“大抜てき”の実現は望み薄だが、そういえば橋下氏はかつて、市長と党首という二足のわらじは「できます、やり方次第です」と断言していたっけ。

 一方、人事の方といえば、安倍首相は麻生太郎財務相、岸田文雄外相ら主要閣僚のほか、谷垣禎一党幹事長を留任させる意向を固めている。残るポストは少ないのに、当選回数5~7回の待機組が口をパクパクさせて待ち構えている。各派閥から「まんべんなく」が求められるが、人事を失敗すれば党内からの不満が一気に噴き出しかねない。安倍首相にとっては頭の痛いシルバーウイークになりそうだ。

続きを表示

2015年9月22日のニュース