又吉、次作への意欲語る「表現する場与えられ嬉しい」芥川賞贈呈式

[ 2015年8月21日 18:34 ]

芥川賞・直木賞贈呈式受賞のスピーチをする又吉直樹

 第153回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の贈呈式が21日、都内のホテルで開かれ、中編小説「火花」(「文学界」2月号)で芥川賞を受賞したお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)が出席。上下グレーのスーツに濃い緑色のネクタイを締めた姿で登壇。「表現する場所を与えられてるってことを嬉しく思ってます」と書くことへの喜びに感謝し、さらに「次書かないのは失礼だし、書くべきだと思ってる」と今後もお笑いタレントと執筆活動の“二足のわらじ”を続けていくことを明かした。

 壇上でまず「文学界2月号が増刷になってびっくりした」と自作への反響の大きさに驚いたことを口にした又吉。続けて「お笑いライブで1万人、2万人集めることはできないんですね。小説読みたい人がそれだけいたんや、って嬉しかったですね」と読者の支持を喜んだ。

 仕事がなかった若手時代、事務所をはじめ周囲の協力を得て、2009年に作家のせきしろ氏との共著「カキフライが無いなら来なかった」を出版。これが芸人としての大きな自信となり、現在へとつながったことに「表現する場所を与えられてるってことを嬉しく思ってます」と感謝した。

 受賞後は周囲から「次どうすんねん」」と尋ねられるというが、自身としては「よく芸人100%でいきますっていってますが、どっちが上とかなくて両方必要」と説明。「次書かないのは失礼だし、書くべきだと思ってるので楽しいものを書きたい」と自作への意欲を語っていた。

 芥川賞は1935年に創設。80年の歴史を誇り、過去にはロックミュージシャンの辻仁成(55)が96年「海峡の光」、パンクロッカーの町田康(53)が2000年「きれぎれ」で受賞したが、お笑い芸人としての受賞は又吉が初。

 今回の芥川賞は作家の羽田圭介氏(29)が「スクラップ・アンド・ビルド」で同時受賞しており、直木賞は「流(りゅう)」を上梓した東山彰良氏(46)が受賞。又吉とともに贈呈式に出席した。

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