天童よしみ 作曲家・中山大三郎さん没後10年…遺作歌う

[ 2015年6月17日 08:15 ]

1997年7月に珍島で撮影、天童よしみ(右)と中山大三郎氏

 05年4月に中咽頭がんで死去した作曲家中山大三郎さん(享年64)の遺作が17日、天童よしみ(60)の歌唱でCD発売される。曲名は「5時の汽車で」。同じく中山さんが作詞作曲し、山田廣作氏がプロデュースした天童の出世作「珍島物語」(96年発売)の制作陣が19年ぶりに集まった。

 中山さんは95年に20歳年下の三佐子夫人と再婚。26歳で結婚した前妻とは2年ほどで別れ、1歳4カ月の娘を宮崎県の実家に預けて育ててもらった。「家族の別離」をテーマに、娘らへの謝罪の思いで書いた作品が「5時の汽車で」。生前、どの歌手にも提供せず、自分だけへの手紙のように大切にしていたという。

 ♪あの娘がベッドを落ちたら どうぞ抱きあげて ねぼけて私をさがしたら 旅へ出てると聞かせてね…。家族を残して汽車で街を出て行く詩情は「“珍島物語”にも通じる。家族なのに会うことすらできない切なさ、離れているからこそ募る愛情…中山先生が生涯背負い続けた人生の一つのテーマだったのだとあらためて気付きました」と天童。没後10年を迎え、「笑顔ばかりが印象的だった先生の、一番素顔に近い思いを歌でこの世に残すことで感謝の気持ちを形にしたい」との思いを歌に込めた。

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2015年6月17日のニュース