桐谷健太「天皇の料理番」で新境地!仏ロケ「役者冥利に尽きる」

[ 2015年6月14日 10:00 ]

「天皇の料理番」で“新境地”を開く桐谷健太。仏ロケを「役者冥利」と振り返った(C)TBS

 俳優の桐谷健太(35)がTBSテレビ60周年特別企画・日曜劇場「天皇の料理番」(日曜後9・00)で“新境地”を開いている。主人公の兄貴分的存在・松井新太郎役を軽妙洒脱に好演。「今まで演じた役とは一風変わっていて、本当に空に浮かぶ雲のように、囚われず、自由なキャラクター。演じていてもおもしろいです」と芝居を楽しむ。14日放送の第8話はパリ編の続編。「役者冥利に尽きます」と仏ロケを振り返った。

 大正~昭和の史実に基づき、日本一のコックを夢見て福井から上京した青年・秋山篤蔵(佐藤健)の成長を描く人間ドラマ。篤蔵が最初に修行に入った華族会館で、見習いコックの先輩として新太郎に出会う。篤蔵が華族会館を辞めた後も交流は 続き、バンザイ軒でパリに向かう篤蔵の壮行会。パリでも篤蔵と出くわし、新太郎は篤蔵の部屋に押し掛ける。見習いコックをしながら、画家志望だった新太郎。新太郎を慕う幼なじみの吉原の遊女・茅野 (芦名星)が渡航費を捻出。パリに渡った新太郎はセーヌ川に向かって「オイラ、画家になるぜ」と叫ぶのだった。

 仏ロケは今年3月に行われた。桐谷は「しっかり走り抜けられた感じがあります。本場の空気で芝居ができたのは、すごく大きいこと」と手応え。「(篤蔵が)あの時代に1人でパリに行くのはすごく孤独だったろうなぁという思いも感じました」と現地を訪れたからこそ感じ取れたことも。「パリの空を見ながら芝居ができたことは贅沢に感じましたし、役者冥利に尽きます」と語った。

 役作りについては「肩の力を抜くことです。(新太郎は)とにかく抜けまくりの奴ですから」と笑いながら「何事にも囚われない柔らかさを持っている。だからこそ、たくましいんでしょうね」と分析。「それでも嫌味がないというか『うざいなぁ』と思われてしまうのは違って、思わず笑ってまう…そんな感じが出せるといいなと思っています。かといって、全く嫌味がないようにしようという感覚もないんですよ。ただ意識をせず、力を抜いて、フワッとした新太郎らしくいれば、新太郎になれるなと思っています」と自然体を強調した。

 石丸彰彦プロデューサーと「新太郎の衣装が大事」と話し合い、パリ編の前は着流しを取り入れた。「新太郎は遊郭で生まれた子どもで、ずっと遊郭のお姉さんたちに囲まれながら育てられているからか、物腰が柔らか。彼には色がある着物がいいかなぁと、それで着流しを着ています。そういう服装をサラッと着こなせてしまうようなアーティスト気質な奴。彼が今 後、成功できるのかどうかは分からないですが、アーティストらしいつかみどころがない感じは彼の服にも出ているんじゃないでしょうか」

 作品についても「おもしろいなと思いました。現代劇と明治から大正の時代劇とは、すべての環境が違いますよね。泥臭く生きた人たちを表現するのはおもしろいなと思いました」と共感。「この時代の人たちって、人との距離感も近くて、強い気持ちや思いがないと、なかなか行動がしづらい時代じゃないですか。どこかに行くにしても時間がかかるし、1人だけで寂しいと思う時は、今の時代よりももっと寂しいと思う。今は携帯がありますけど、交流手段がないですから。そういった意味で、この時代の人たちを泥臭く一生懸命に演じられたらなと思います」と精魂を込めている。

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2015年6月14日のニュース