河内家菊水丸 甲状腺乳頭がん乗り越え…20年ぶり復活CD

[ 2015年5月28日 10:05 ]

記者の質問に答える河内家菊水丸

 6月24日に約20年ぶりとなる本格シングル「本日は晴天なり」を発売する伝統河内音頭継承者・河内家菊水丸(52)が27日、大阪市北区のスポーツニッポン新聞社を訪れた。甲状腺乳頭がんを乗り越えて迎える芸能生活35周年記念曲への思いとともに、政界引退を表明した橋下徹大阪市長へのラブコールも飛び出した。

 菊水丸は、河内音頭を歌い始めて40年、プロとしては今年で35年。91年にはアルバイト情報誌のCM曲として「カーキン音頭」をヒットさせたが、今作は「5分サイズで幅広い層に聴いてもらえるように」と、J―POP界を代表するプロデューサーユニット「Face 2 fAKE」とコラボし、前代未聞の河内音頭を作った。伝統芸能とJ―POPの「異文化交流が実現した」と胸を張る。

 12年10月には、甲状腺の左葉(左側)に15ミリの乳頭がんと、リンパ節への転移、気管支への浸潤が判明。手術では、声を失う気管切開を何とか回避し、がんをすべて切除できた。「一時は引退もよぎった」という危機を乗り越えての節目に、「格別のものがある」としみじみ。同曲にも「暗い闇夜のその向こう 本日は晴天なり」などと、自身の思いに重なる前向きで希望あふれる歌詞が並ぶ。「病気を経験し、実感を込めて歌える」とした。

 また、大阪都構想が住民投票で否決され、12月の任期限りでの政界引退を表明した橋下氏には、「ご恩がある」と告白。10年の上海万博で「大阪―上海友好盆踊り大会」の開催を決めた当時府知事の橋下氏から「真っ先にご指名いただいた」といい、「勇退されるならご恩返しに、新曲を歌いにいきたい」と熱望した。「悔いはない」と会見では晴れやかな顔で引退宣言した橋下氏の真意については、「僕の新曲を聴く時に“晴天なり”な表情をしてるかどうかで判断したいですね」と笑った。

 同曲は、6月28日の35周年のパーティーも兼ねた盆踊りツアーの出陣式で舞台初披露する予定。

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2015年5月28日のニュース