ローラ父一転詐欺認める…容疑否認理由は「子供が犯罪者の子に」

[ 2014年12月23日 05:30 ]

初公判で起訴内容を認めたジュリップ被告

 タレントのローラ(24)の父親で、詐欺罪に問われたジュリップ・エイエスエイ・アル被告(54)の初公判が22日、東京地裁で開かれた。バングラデシュに帰国中診療を受けたと偽り、海外療養費約98万円をだまし取ったとする起訴内容を全面的に認めた。閉廷して退室する際には、傍聴席などへ向かい5回頭を下げ「ドウモ、スミマセンデシタ」と日本語で反省の言葉を口にした。

 ジュリップ被告は深緑色のスエットの上下に、サンダル履きで入廷。ウエーブが掛かった髪はぼさぼさで、顔をマスクで覆い、何度も「ゴホゴホ」と大きくせき込んだ。公判中は終始うつむきながら体を揺すっていた。

 横山浩典裁判長から起訴内容について「間違っているところはあるか」と聞かれ、母国語のベンガル語を話せる通訳を介して、ベンガル語で「ナイ(ない)」と認めた。

 検察側は冒頭陳述で、中古車輸出の仕事がうまくいかず、子供の教育費や生活に困り事件を起こしたと指摘。詐取した金は借金の返済や生活費などに充てたと述べた。捜査段階で事件への関与を否認し続けたことについて、被告が「詐欺を認めれば、子供が“犯罪者の子”になって迷惑を掛けると思った」と供述していたことも明らかにした。被告の子供は4人。元妻の日本人女性との間にローラと双子の弟、再婚相手の中国人女性との間にも男女の双子がいる。

 起訴状によると、被告は07年4月、バングラデシュの病院で診療を受けたとする虚偽の申請書を東京都多摩市に提出し、8月に海外療養費を詐取したとされる。

 海外療養費は国民健康保険制度の一つで、海外で支払った医療費の一部が還付される。在留資格のある外国人も加入できる。

 検察側は同様の事件で追起訴を2件予定。弁護側は「追起訴分と遅延賠償金含め全額の返済を済ませた」と明かした。金額や支払人については触れなかったが、「責任を持って弁償する」と公言しているローラが肩代わりしたとみられる。所属事務所は「担当者が不在のためお答えできない」とした。

 ジュリップ被告は閉廷後に、裁判長に向かって立ったまま一礼。続けて、検察、傍聴席、弁護側と頭を下げて「ドウモ、スミマセンデシタ」と日本語で謝罪。出口でもう一度頭を下げ、退室した。

 次回公判は来年1月30日で、被告人質問などが行われる予定。

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月23日のニュース