日テレ訴えられた…「銀座でバイト」理由に女子アナ内定取り消し

[ 2014年11月15日 05:32 ]

第1回口頭弁論後に、報道陣の取材を受ける緒方延泰弁護士

 日本テレビの来年4月入社のアナウンサー採用で内定を受けていた大学4年の笹崎里菜さん(22)が、東京・銀座のホステスのアルバイトを理由に内定を取り消されたのは不当として、同社に地位確認を求めた訴訟を14日までに東京地裁に起こした。同日の第1回口頭弁論で、日本テレビ側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。次回以降に具体的な反論をするという。

 笹崎さんは「2011年ミス東洋英和」に選ばれ、ファッション誌「JJ」の読者モデルとしても活躍したロングヘアの似合う美貌の持ち主。テレビ関係者の間では「アドリブもうまく、将来性がある」との評価があり、本人もアナウンサーへの夢を膨らませていた。

 代理人の緒方延泰弁護士は「本人はアナウンサーとして日テレへの入社を希望している」とし、通常の入社時期の「来年4月までに(裁判の)決着が必要」と語った。訴状によると、笹崎さんは昨年9月に日本テレビのセミナーに参加し、内定通知を受けた。だが、今年3月、人事担当者に「母の知り合いが経営するクラブで短期のアルバイトをしたことがある」と伝えると5月に内定取り消しを告げられた。「傷がついたアナウンサーを使える番組はない」とも言われ、通知書には「アナウンサーには高度の清廉性が求められる」などと書かれていたという。

 笹崎さん側は「クラブで働く人は清潔さに欠けるというのは独自の偏見だ」と批判し、内定取り消しを無効にするよう主張した。

 ただ、仮に入社できても、笹崎さんに居心地の悪さが残るのではとの疑問が残るが、緒方弁護士は「糾弾するつもりはない。良き人材として活用する方が日テレの価値も上がるでしょう。各当事者が良い方向に転じていけると信じている」と話した。入社を希望する会社を訴える理由は「円満な解決を求めて被告側と事前折衝をしてきたが、被告側が仮処分が出ても従わない意向であるということで、やむなく本訴に至った」とした。

 51席の傍聴席が埋まり、注目された笹崎さんだが、法廷に姿はなかった。緒方弁護士は「学生でもあり訴訟の場でコメントを出すことに慣れていない。(本人は)世間をお騒がせして恐縮に思っている」と話した。

 欠席した日テレ側は答弁書を提出。笹崎さんの請求棄却を求め、争う姿勢を示した。次回は1月15日を予定。この日1人だった裁判官は、関心の高さを受けて、今後、3人による合議制になる。

 ▼日本テレビ広報・IR部 本件は民事裁判で係争中の事案であり、当社の主張は裁判を通じて明らかにさせていただきます。

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2014年11月15日のニュース