坂本龍一、咽頭がん公表 年内の演奏活動休止も「必ず治して戻る」

[ 2014年7月11日 05:30 ]

中咽頭がんを患っているを公表した坂本龍一

 中咽頭がんを患っていることがスポニチ本紙報道で明らかになった音楽家の坂本龍一(62)が10日、演奏活動を全面的に休止して治療に専念すると、自身のレーベルホームページで発表した。年内は滞在先の米ニューヨークで療養する。坂本は「熟慮の末、しばらく治療に専念することにいたしました」とコメントを掲載。「必ず治して戻ってまいります」と病魔克服への強い意志を見せた。

 坂本は直筆のサインを添え、6月末に中咽頭がんが見つかったと公表。統括役であるゲストディレクターを務め、開幕を来週末に控えていた「札幌国際芸術祭」(札幌市、19日~9月28日)や、30日に都内で予定されていたスペシャルコンサートなど、年内の演奏活動を休止すると発表した。

 演奏活動休止について「多くのみなさまに、多大なご迷惑をおかけすることは深く承知していますが、自分の身体あっての仕事ですから、苦渋の選択をせざるを得ませんでした」と説明した。

 一方、「2年あまり精魂傾けて」準備してきたと言う札幌国際芸術祭について「会場には参れませんが、全プログラムは最良の形でお届けすることをお約束します」と、米アカデミー賞やグラミー賞を受賞した天才音楽家「世界のサカモト」の誇りをのぞかせた。

 レーベルを共同運営しているエイベックスによると、坂本は6月上旬に喉に違和感を覚え診察を受けたところ、中咽頭がんと判明した。

 中咽頭は、口を開けた時に見える奥の部分。咽頭がんの治療は手術や抗がん剤、放射線治療が用いられるが、坂本がどのような治療法を選択したかは不明。所属事務所は「現在担当の医師と相談して進めていると聞いていますが、具体的な内容は聞き及んでいない」とし、「今後も治療方法の詳細を公表する予定はない」としている。

 咽頭がんは早期治療を行えば比較的治りやすいが、重複がんの発生率が20~30%と非常に高い。坂本は「必ずきちんと治して戻ってまいります。どうかしばらくの間、静かに見守っていただけたら幸甚です」と、決意の言葉でコメントを締めくくった。

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