井上陽水 伝説の名盤「氷の世界」40年ぶり未発表音源発見

[ 2014年3月27日 06:15 ]

アルバム「氷の世界」の未発表音源が発見された井上陽水

 井上陽水(65)の伝説的名盤「氷の世界」が日本レコード史上初のミリオンヒットアルバムとなってから40年、収録曲の未発表音源が見つかった。

 小椋佳(70)が作詞したことで知られる「白い一日」の別バージョン。発売元のポリドール(現ユニバーサル)は「このアルバムで、発表されている以外の音源が出てきたのは初めて。日本の音楽史にさん然と輝く名盤だけに、資料的価値も高い」と話している。

 1973年12月に発売され、2年後の75年9月に日本のLP史上初めて100万枚を突破した同アルバムは、その音源となったマルチトラックテープの行方が長年分からなくなっていた。それが昨年夏、レコード会社の都内の倉庫で良好な保存状態で発見された。そこには歴史的名盤の全収録曲の音源があり、その中に「白い一日」の別テークが入っていた。

 叙情的な弾き語りで知られる同曲だが、新たに見つかったテークは、73年の発表音源とは歌い方からギターの弾き方まで違う。そして、発表音源でかぶせていたバイオリンの音色はなく、陽水の息遣いまで聞こえてくる“無着色”のサウンドは実に生々しい。名曲とは、長い時間がたっても、どんなテークでも、聴き手の心を揺さぶると実感する1曲だ。

 ユニバーサルでは「氷の世界」のミリオンヒット40年を記念し、最新技術で全収録曲を高音質でよみがえらせたアルバム「氷の世界―40th Anniversary Special Edition」を5月21日に発売。「白い一日」の未発表音源もボーナストラックとして収録。昨年12月にNHKで放送された「井上陽水ドキュメント 氷の世界40年」の未発表映像のDVDも付く。

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