福島舞台の「家路」 ベルリン映画祭で高い関心

[ 2014年2月12日 09:27 ]

 世界三大映画祭の一つ、ドイツのベルリン国際映画祭で11日(日本時間12日)、東京電力福島第1原発事故後の福島県を舞台にした映画「家路」が上映され、約700人の観客から長い拍手が送られた。出席した俳優内野聖陽と久保田直監督は「皆さんが関心を持ってすごい集中力で見てくださり、うれしい」と語った。

 映画は昨年、同県川内村などで撮影。長く福島から離れていた青年が原発事故後、立ち入り禁止区域にある実家で生きることを決意し、田を耕しだす姿と、仮設住宅で暮らす彼の家族を描いた。

 観客からは「この映画でいろいろな現実を見ることができたが、故郷に帰りたくても帰れない人にはつらい作品では?」など、質問が相次いだ。

 青年の兄を演じた内野さんは終了後、報道陣に「福島の方々にどう受け止められるのかが次なるハードルです」と話し、久保田監督は「閉ざされた土地ができたことを風化させてはいけないと思って作りました。5年後、10年後も残る映画だと思います」と語った。

 「家路」は3月1日以降、全国順次公開。(共同)

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2014年2月12日のニュース