竹脇無我さん盟友 加藤剛 直筆追悼文「天下の名医が…信じられない」

[ 2011年8月23日 06:00 ]

2006年3月に放送された時代劇「大岡越前」の一場面。竹脇無我さん(右)と主演の加藤剛(TBS提供)

竹脇無我さん死去

 竹脇無我さんとドラマ「大岡越前」で共演した俳優の加藤剛(73)が直筆の追悼文を寄せた。「天下の名医榊原伊織が自らを助けることなく世を去るとは信じられない思いです」と、同作での竹脇さんの役柄を引き合いに出し、無念さをにじませた。

 無我ちゃんとは三十年間親友役をつとめてきました。

 「大岡越前」で私が町奉行、無我ちゃんが小石川養生所の医師、榊原伊織役。ほんとうの親友より親しい親友役同志でした。

 本日喪主になられた竹脇友加さん。無我ちゃんに長女の友加さんが生まれたのは「大岡越前」の撮影が行われていた京都です。私の宿舎の下鴨の方が産院に近かったので出産のときはお父さんの無我さんより私の方が先にかけつけてしまって何ともカッコウのつかなかった楽しい思い出があります。

 最後に無我ちゃんに会ったのは今年の五月二十二日でした。私の舞台公演(月光の海ギタラ)が行われていた新宿紀伊國屋ホールです。

 中村屋のおまんじゅうをもってきてくれ「子どものころ親父(竹脇昌作さん)がよくこれを買ってくれたんだよ」といいながら、私にではなくこの芝居の主演を私と分け合っていた私の次男(俳優座・頼三四郎)にそのおまんじゅうをくれました。「な、親父っていいもンだろう」っていいながら。

 「おい、三四郎、お前の芝居が好きなんだ、ファンだよ――お前の後援会長になってやるよ」といってくれたのに――。三四郎も有頂天になっていましたのに――。

 あの日が無我ちゃんとの別れになってしまうとはまさか思ってもいませんでした。

 天下の名医榊原伊織が自らを助けることなく世を去るとは信じられない思いです。

 いい絵を描いた無我ちゃんでした。彼の個展でかわいい犬(茶色の日本犬)の水彩画をみました。かつて私の飼っていた犬に似ているので、これを買いました。「余白に何でも好きな文字を入れてやるよ」と無我ちゃんが言うので「犬は黙の中にいる」というフレーズを注文、彼はすぐ筆をとってそれを書いてくれました。

 今、その絵をながめています。まさに「黙」の中に私は今じっといて友の突然の死をうけとめかねているのです。

 加藤 剛 (原文そのまま)

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