[ 2010年4月23日 06:00 ]

聴衆の期待に応えて充実の演奏を披露したインバルと都響、ソリストのフェルミリオンら (C)堀田力丸

コンシェルジェによると現代のようにマーラーの作品が頻繁に演奏会のプログラムに載るようになったのは、ごく最近のこと。60年代から70年代にかけて故レナード・バーンスタインが意識的にマーラーの作品紹介に力を入れ、音楽監督を務めていたニョーヨーク・フィルをはじめとする米国のオケやウィーン・フィルなどヨーロッパの名門楽団による演奏機会が急増。それが80年代からの世界的なブームに繋がっていったのだとか。ブーム到来とともに世界中の指揮者やオーケストラが積極的に彼の交響曲を演奏していくうちに作品の魅力はもとより、解釈やアプローチの仕方が次第に明らかにされ、演奏様式は“深化”を遂げてきました。その立役者のひとりがイスラエル出身の名指揮者エリアフ・インバルです。80年代、当時彼が首席指揮者を務めていたフランクフルト放送交響楽団と行ったマーラー・チクルス(全交響曲連続演奏)の公演とCD録音は、ブルーノ・ワルターやバーンスタインら、それまでマーラーを取り上げていた指揮者たちとは、まったく異なるアプローチで作品に新たな光を当てブームの起爆剤のような役割を果たした、とのことです。

そのインバルがプリンシパル・コンダクターを務める東京都交響楽団の定期公演(3月30日)に登場、交響曲第3番ニ短調を指揮しました。

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2010年4月23日のニュース