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井岡一翔 激動の1年“苦難”乗り越えV4締め! 福永に判定圧勝、世界戦最多勝利記録を19に更新

[ 2021年12月31日 19:57 ]

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ   王者・井岡一翔 判定3―0 同級6位・福永亮次 ( 2021年12月31日    大田区総合体育館 )

<BO世界スーパーフライ級タイトルマッチ>判定で勝利しポーズを決める井岡(撮影・会津 智海)
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 プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦は31日、東京・大田区総合体育館で行われ、王者・井岡一翔(32=志成)が挑戦者で同級6位の福永亮次(35=角海老宝石)を12回判定で下し、4度目の防衛に成功した。プロ30戦目、大みそかの試合が10戦目という節目を白星で飾り、自身の持つ世界戦最多勝利数の日本記録を19に伸ばした。

 序盤は両者互角の展開だったが、4回、井岡が左アッパー、フックを当てて挑戦者にダメージを与える。その後も的確に井岡がパンチを当てると、7回には福永が鼻から出血。それでも最後まで攻め続ける福永のパンチを王者が受け切り、3―0の大差判定勝ちを収めた。

 激動の1年だった。昨年大みそかは田中恒成(畑中)を8回TKOで下したが、試合中に左腕のタトゥーが露出したことが問題視され、1月になって日本ボクシングコミッション(JBC)から厳重注意処分を受けた。そして、その田中戦でのドーピング検査が大騒動にまで発展した。

 JBCによる検体のずさんな管理と不手際により、薬物違反が疑われ、井岡は警察から家宅捜索を受けた。これが4月に週刊誌報道で発覚すると、井岡への批判だけでなく、家族にまで誹謗・中傷が向けられた。警察の調べで違法薬物は検出されず、最終的にはJBCの倫理委員会が「ドーピング違反は認められなかった」と結論付けて潔白が証明されたが、「人生が終わるのではないかという気持ちになった」というほど苦しんだ。

 9月には国内初の無観客世界戦で、フランシスコ・ロドリゲス(メキシコ)に判定勝ちして3度目の防衛に成功。苦い思い出を払しょく。だが、目標としていた他団体王者との統一戦の実現は目前で新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」に阻まれてしまう。

 井岡とIBF王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦が正式発表された、わずか4日後、政府はオミクロン株の海外での感染拡大を受け、水際対策を強化するために外国人の新規入国を原則禁止とすることを発表。アンカハスの来日が難しい状況となり、中止が決定した。そして急きょ決まった福永との防衛戦。井岡は「やると決めたからには結果を出さなくちゃいけない」の言葉通り、10度目の大みそか決戦で勝利し、王座を守った。

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