【内田雅也の追球】相手走者に応じた守備

[ 2026年2月22日 08:00 ]

オープン戦   阪神1―1中日 ( 2026年2月21日    北谷 )

<中・阪>初回、ディベイニーが岡林の打球を処理。結果は内野安打(撮影・亀井 直樹)
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 オープン戦初戦の最初の守り、1回裏先頭の中日・岡林勇希が打席に立った。阪神新外国人の遊撃手キャム・ディベイニーの守備位置に「深いな」と思った。初めて見る打者で、その俊足を知らないのだろう。

 すると、ボテボテのゴロが二塁キャンバス寄りに転がった。ディベイニーは処理するまで、自然と打者走者の走りが目に入る。焦ったのだろう。ボールを握り替える際にジャッグルし、一塁送球は間に合わなかった。内野安打である。

 「そうね」と試合後、ヘッドコーチの和田豊はうなずいた。「まだ、相手打者がどんな足なのかを知らないからね。守備位置はもっと前で良かったかもしれない。まあ、ジャッグルしていなければアウトにできていたかもしれないけど」

 手もとのストップウオッチ計測で岡林の一塁到達は4秒02。相当なタイムである。4秒を切る素早い処理が求められるわけである。

 「それは徐々に学んでいけばいいことでね。実際、担当コーチも(守備位置を)指示していただろうし。前と言っても、どれぐらい前を守るのかということもある。いつまでも同じことをしていたら、ダメだけど、今はまだ勉強中ですよ」

 その通り。実際、岡林の次の打席(3回裏)も同じ回の先頭だったが、今度は1回裏よりも3メートルほど前を守っていた。早くも学んだわけだ。

 さらに、4回裏、5回裏とさばいた遊ゴロ一塁送球はともに4秒を切っていた。打者はさほど速くない福永裕基と石伊雄太で、3、4歩前でアウト。この打者走者なら急ぐ必要はない。

 実際、打者走者や走者の走力がどれほどか……というのは守備で重要な準備要素になる。

 2回裏1死一塁。福永に三塁線突破の二塁打を浴びた際、左翼手・中川勇斗は打球処理が手につかなかった。「焦った」と正直に話している。

 なぜなら一塁走者の新外国人ミゲル・サノーが予想以上に足が遅く、二塁打コースの打球でも三塁で刺せるかも!?と思ったからだろう。強打が注目されるサノーだが、その鈍足ぶりも学んだ試合だったと言える。

 プロ野球はシーズン143試合。同一リーグの他5球団とは25回も対戦する。偵察隊や情報網が張り巡らされたなか、わずかな強みや弱みを競い合う。走者の速さ(遅さ)を開幕まで頭にたたき込みたい。 =敬称略= (編集委員)

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