DeNA「部長進化論」連載<2> 組織開発の要職を担う山根氏の進化論

[ 2024年2月9日 13:00 ]

日々の業務と向き合うDeNA・山根部長
Photo By スポニチ

 DeNAのチームスローガン「横浜進化」にちなみ、球団部長の日々の奔走を紹介するDeNA「部長進化論」。キャンプのオフに紹介する5回連載第2回は、プレーヤーも含めた「ベイスターズ」の組織づくりに尽力する、山根成友チーム統括本部チームディベロップメント部部長(39)を紹介します。(構成、DeNA担当・大木 穂高)

 「ディベロップメント」を日本語にすると「開発」「発展」。山根氏の仕事は、まさに職員、スタッフ、選手といった球団全体を「一つの船」に乗せ強化し発展させていくことだ。その姿勢は一貫している。「私の仕事は、組織のビジョン達成の仕組みづくりを通じて、組織を強くして人材が育つ環境をつくること」と話す。

 昨年12月に同職に就任し、現在部員は22人。選手のユニホームなどを洗濯するクリーニング担当、2軍練習施設「DOCK」厨房担当、グラウンドキーパーらと、多岐にわたるスタッフを支えている。「球団内にある多くの仕事を一本でマネジメントすることが、みなが同じ方向を向く上でも必要なこと」と明かす。

 選手と向き合うことも重要なミッションだ。「一人の人として、主体的に学び、考え、生きていくということを対話を通じて伝えます。チームの一人であるということを。その考えを選手も共通認識することで、球団の方向性も定まります」と続ける。

 今キャンプでも今後、選手に向けた対話の機会を用意している。その中で、選手にパフォーマンス向上、実力発揮につながる学びの場を提供する。「選手たちが日々学んでいる知見は、社会でも役立つことが多い。グラウンドで学んでいることは、野球の技術だけではない。引退後の人生を豊かに生きることにもつながる。今、学んでいることをしっかり言葉にできるように、そんなことも対話して伝えます」という。

 山根氏は人材開発、人事の仕事に大学時代から興味を持ち、卒業後にその世界で仕事する中、事業会社で人事の仕事に就きたい思いが強くなり始めた。そして、その思いを実現するため転職を決意し、13年2月にDeNAに入社した。

 学生時代バスケットに熱中し、野球は「兄とキャッチボールをしたくらい」と話す。「野球熱」が控えめな人生を歩んできたからこそ、選手に送る視線も冷静だ。

 「変化に強い人材がいて、生き残っていける人材がいる。そして、そのためにお互いを刺激し合える、そんな組織が一番いいなあ、と。そこを目指してこれからも取り組んでいきたい」。日本一を目指す戦いだけが「横浜進化」ではない。山根氏の存在が球団の一体感をしっかりと下支えしている。

 ◆山根 成友(やまね・まさとも) 1984年(昭59)8月24日鳥取県鳥取市内出身の39歳。鳥取東ではバスケット部に所属し、立命館大国際関係学部に入学。卒業後は人材ビジネスの仕事に携わり、13年2月に横浜DeNAベイスターズに入社。人事・総務、組織人材開発の業務を続け、23年12月の同職に就いた。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年2月9日のニュース