頑張れ!!輪島高硬式野球部 「リーガ・アグレシーバ」参加43校から支援金約106万円が届く

[ 2024年2月9日 05:00 ]

阪長友仁氏(左)から支援金を受け取る輪島・冨水諒一監督
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 元日の能登半島地震で被災した石川県輪島市内にある輪島高硬式野球部に8日、43校の高校球児が集めた支援金約106万円が届いた。寄付をしたのは、同校が今秋から参加予定のリーグ戦「リーガ・アグレシーバ」の参加校。新たに加入する仲間を助けようと昨夏の甲子園大会で優勝した慶応(神奈川)や、おかやま山陽(岡山)などが集めた支援金を同リーグを管轄するNPO法人「BBフューチャー」の阪長友仁理事長がこの日、輪島市に出向いて寄付した。全国で高校球児の支援の輪が広がっている。

 被災した輪島高は校舎が避難所となり、練習場への動線が土砂崩れでふさがれた。部活動再開のメドが立たない状況で届いた支援金に、輪島の冨水諒一監督も感謝した。

 今回の支援は、全国各地で実施されるリーグ戦「リーガ・アグレシーバ」の参加校が賛同。同リーグには今年169校が所属予定で、輪島も今秋から加わる予定だった。リーグ運営に携わる阪長氏は1月上旬、同リーグに参加するおかやま山陽を訪れた際、堤尚彦監督に「新しい仲間を皆で助けませんか」と相談。同監督の「輪島市の現状が伝わった方がいい」との提案から数日後に製作してもらった輪島の選手たちが編集した約3分間の動画には全壊した選手の自宅などが映し出され、「もう一度、野球がしたいです」のメッセージで締めくくられていた。阪長氏は、その動画を全参加校に送り、支援を呼びかけた。

 おかやま山陽では各部員が1000円以上募金し約13万円が集まった。18年の西日本豪雨で被災した渡辺颯人主将(3年)は「(西日本豪雨で)たくさんの方に支えてもらいました。次は自分ができることをやろうと思いました」と語りかける動画を輪島ナインに送った。そして集まった43校からの約106万円を、阪長氏が輪島に出向いて直接届けた。

 阪長氏は「公的な支援で道具を買い直すことは難しい。野球をする環境を取り戻すために使ってもらえれば」と説明した。堤監督は「次は輪島へ練習試合に行きたい」と今後の支援を思い描く。高校球児が助け合いながら、被災地の野球復興支援の輪が広がっている。(河合 洋介)

 ▽リーガ・アグレシーバ 2015年に始まった高校野球のリーグ戦。春夏秋の公式戦とは別に、参加希望校が集まった各都道府県で行われ、今年度は34都道府県169校が参加予定。以前から低反発バットの導入や、球数制限の設定など選手、指導者の育成に重きを置く。小中学世代のリーグ戦運営に取り組んできたNPO法人「BBフューチャー」がリーグ戦を支援している。

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