能見氏が絶賛「吸い込まれた」 阪神・門別のブルペンを視察 「独特の間」と「押し込むリリース」に感嘆

[ 2024年2月9日 05:15 ]

阪神・門別のブルペン投球連続合成写真
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 本紙評論家で阪神OBの能見篤史氏(44)が8日、阪神の沖縄・宜野座キャンプ第2クール3日目を訪問し、ブルペンで門別啓人投手(19)の投球練習を初めてチェック。「吸い込まれた。いい、いいと聞いていた想像以上」と絶賛した。特に、強いボールを投げられる要因として(1)独特な間(ま)(2)リリース時の押し込み――という2点に注目し、投球フォームを連続写真で解説した。(※本文中にある<>内の数字は連続合成写真の右から何枚目かを示す)

 【能見篤史 CHECK】能見氏は、門別の投球練習を受ける小宮山ブルペン捕手の真後ろに陣取った。ミットがパチーンとはじかれるたびに、普段はポーカーフェースのその表情が、すごいものを見た驚きで崩れていった。

 「初めて門別投手の投球練習を近くで見たが、正直、吸い込まれた。いい、いいと聞いていたけど、想像した以上だった」

 岡田監督から早くも先発ローテーション候補の一人に挙げられるなど、門別の高い評価は伝わっていた。阪神やオリックスで好投手は何人も見てきた能見氏。まずは「あれは誰にでもできることではない」と足の使い方に注目した。

 「なぜこれほどボールに強い力を伝えられるのか見たけれど、右足を上げてから、地面に着地するまでに独特の間がある。時間にしたらほんのコンマ何秒だけど、人よりも長い(写真<2>~<6>)。スパイクが着地する瞬間に当然、下半身は開くのだが、その時にまだ上半身は開いていないので、(上下半身の)ねじりでタメができて、力がたまっている状態(同<7>)。そこから腕を振るから力がボールに伝わる(同<8>)。下半身がフォーム全体を操作している」

 ヒザが外側に割れないようにするには、方法がいくつかある。例えば前田健太(タイガース)や山岡泰輔(オリックス)らは踏み込む足を内股にして、ヒザを折って踏み込んでいく。能見氏が続ける。「何が正解、不正解はないが、各投手は自分に合ったさまざまな工夫をしている。でも、あの間は門別の特徴(同<6>)で、誰にでもマネできることではない」

 さらにリリースポイントの意識にも注目した。「私みたいに150キロも出ない投手はボールを切る感じ。地面に向かって切って、スピンをかけるイメージ。しかし速球派の投手は押し込む感じという。投球後、門別と話す機会があったが、彼は“押し込む感じ”だと言っていた。でも私が思うに、押し込んでから最後に自然に切ることもできているのだと思う」

 ちなみに能見氏は、あいさつに来た才木とリリースポイント談議をした際に確認したところ、才木も「押し込む」と答えたことを明かした。「才木に聞いてみたら、速球派だからやっぱり押し込むと言っていた。ロッテの佐々木朗希も押し込んでいる」

 踏み込む右足と、ボールをリリースする指先――。能見氏はソフトバンク・和田が真っすぐで空振りを奪うことができる理由もその2点にあるとした上で、好投手の条件を兼ね備えている19歳を「楽しみな投手に違いない」と大きな期待を寄せた。

 《プレッシャーなし》茨木とともに11日の紅白戦先発に指名された門別は「プレッシャーとかは全くなくて、楽しめればいいなと思っています」と頼もしかった。初めての1軍キャンプにも「第1クールが一番疲れていたので、だいぶ慣れてきたかなという感じ」。岡田監督には昨秋から大きな期待を寄せられており、「これであんまりだなと思われてもアレなので、ちょっと頑張りたいです」と気合を込めた。

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