六球会 無念、東大OB優勝ならず

[ 2023年12月5日 09:15 ]

明大OB相手に力投する東大・大山投手 
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 還暦を過ぎても野球を楽しむ人は全国各地に数多くいる。その中で5年をかけて優勝を争うリーグ戦は珍しい。東京六大学野球のOBで結成する「六球会」は60歳以上が参加資格で1年に6チームが1試合ずつ対戦し、5年で全日程が終了する気の長いリーグ戦だ。

 4日、その5年目の試合が神宮球場で行われた。ここまで2勝2敗と健闘している東大OBは3勝1敗で首位に立つ明大と対戦。勝てば明大、慶大、法大と並び3勝2敗で“同率優勝”のチャンスだった。「何としても明治に勝ちたい」。現役時代リーグ戦8勝をマークした西山明彦さん(78年卒=現東大野球部先輩理事)は試合前からやる気満々。3回まで3点をリードをして迎えた4回、満を持して赤門旋風を巻き起こし、リーグ戦で10勝を挙げた大山雄司さん(82年卒)が2番手で登板した。しかし、大山さんのスピードが明大打線のタイミングに合ったのか4安打に四球、失策も絡んで打者一巡、一挙5点を奪われ逆転を許してしまった。5回にも1点を献上、6回に登板した西山さんも2点を与え3―8で敗れた。

 「明治には勝てなかったかあ」と残念がる西山さん。ほとんどの選手が現役時代の体型からほど遠く珍プレーも続出。現役時代に控えだった選手も多く、母校のユニホーム姿で汗を流す姿は勝っても負けても笑顔。旧交を温め合うのが目的だ。

 今年で40回目を迎えた六球会。前回大会から優勝を決めるようになり、初代王者は慶大だった。今回は(1)明大4勝1敗(2)慶大3勝2敗(2)法大同(4)東大2勝3敗(4)早大同(6)立大1勝4敗となった。
 戦後、早慶のOBたちが野球、ゴルフ、テニスなどで懇親し、それに他の4校が加わって今の形になった。そして最大の目的は東京六大学野球を盛り上げること。今は早慶戦でも2万人越えがやっと。側面からアマ野球を盛り上げる役目も担っている。

 来年からまた5年をかけての戦いが始まる。阪神・岡田監督(早大OB)も参加資格がある。“アレ”を目指してどうぞ神宮に。


 <赤門旋風>81年春季リーグ、初戦の法大戦、勝ち点を落としたものの1勝をマーク。続く早大戦には大山、国友両投手で連続完封勝利。慶大戦も初戦を落としたが2、3回戦に連勝し史上初となる早慶から勝ち点を奪った。4カード目は立大。勝てば首位明大と優勝を賭けた戦いできると期待されたが○●△●と惜敗。惜しくも勝ち点を落とし4位に終わったが、東大の快進撃に神宮が大いに沸いた。
  

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