田淵幸一氏 阪神・岡田監督、オリックス・中嶋監督の頭脳戦が最大の見どころ

[ 2023年10月23日 05:15 ]

笑顔でウオーミングアップを行う阪神の才木(左)と坂本(撮影・大森 寛明)
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 1964年の阪神―南海以来、59年ぶり2度目の関西対決となった日本シリーズを前に、阪神OBで本紙評論家の田淵幸一氏(77)がシリーズを展望。阪神の4勝2敗と予想した上で、熱い戦いを期待した。

 【田淵幸一 展望】チーム防御率は阪神が2・66、オリックスが2・73でともにリーグ1位。投手力はほぼ互角だが、救援陣は阪神がやや上だろう。ジョーカーは回またぎもできる左腕・桐敷。貴重な存在でリリーフの枚数が増えた。試合は6回以降の攻防が鍵だ。代打、継投策のタイミング…。岡田監督、中嶋監督の頭脳戦が最大の見どころだと思う。ただ、シーズン中から「守りの野球」を貫いてきた岡田監督に一日の長があるか。

 阪神は敵地開幕の2試合を1勝1敗、本拠地甲子園で2勝1敗、が日本一へのシナリオとなる。逆にオリックスは絶対エース・山本が先発であろう第1戦、続く第2戦を連勝して甲子園に乗り込みたい。阪神も村上、大竹ら先発陣の駒は豊富だが、ポイントとなるのは才木とみる。阪神からするとオリックスは東の存在が不気味。直球も速くフォークも非常にいい。要注意だ。

 打線は1番・近本、2番・中野の出塁率は相手を上回る。打線も1~8番まで固定されており、CSファイナルSと同様に8番・木浪が活躍すれば、さらなる得点力アップが期待できる。CSでの私の「陰のMVP」は捕手の坂本。リードやキャッチング、送球とリーグNo・1だ。岡田監督の守りの野球の要といっていい。一方でオリックス打線は故障の杉本、紅林、頓宮ら不安要素が多い。

 10月下旬の甲子園。天候によっては普段の浜風とは逆、左翼から右翼への風が吹く。59年ぶりの関西シリーズ。1964年は私は法政一高の3年生だった。甲子園、そして京セラドームが熱狂するシリーズを期待したい。

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