なぜ強い、虎の救援陣 食事会で意思統一した「ブルペンで勝つぞ」 球児世代から引き継いだ志も

[ 2023年9月14日 21:19 ]

セ・リーグ   阪神4―3巨人 ( 2023年9月14日    甲子園 )

<神・巨>18年ぶりの優勝を飾るも、クールにグラブを掲げる阪神・岩崎(撮影・北條 貴史)
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 “アレ”まで駆け上がった猛虎の強みの1つがリーグトップの防御率を誇る救援陣だ。ブルペンでは岩崎、岩貞、加治屋らが最年長で最年少の22歳・及川とは10歳差。そこにケラー、ブルワーと異国の地からやってきた助っ人もいる。経験も思考もたどってきた人生も違う面々をつなぎ合わせたのが「中継ぎ会」。開幕から主に遠征先で月一回ペースで開催し、食事の場で結束を強めてきた。

 敵地でヤクルトに3連勝しマジックを15に減らした3日の夜も、都内のすし店にすべての中継ぎメンバーが集結。最終盤にあらためて士気を高めた。主催することが多かった岩崎は「球場ではかしこまって言えないことも食事の場なら言いいやすいし、若い子も聞きやすい」と意図を明かした。

 「ブルペンで勝つぞ!」。今年、試合中のブルペンでみんなが口にした合言葉だ。「勝ち展開は当たり前に締める。先発が降りて負けている時はブルペンで勝つぞ、と。ただ、人間だから忘れるんです。その意思統一を中継ぎ会でしたかった」(岩崎)。中継ぎ会は意思疎通と意思統一の場でもあったのだ。

 OBの藤川、能見らが現役だった頃の“レガシー”も引き継いだ。「野球のことを考えて、野球のことを話す。当時は僕らが発言しやすかったり、和やかな雰囲気のブルペンだった。球児さん、能見さんたちがいなくなって気づいて、そういう空気作りはやっていくべきだなと」(岩貞)。年齢の垣根を取り払うことで“緩み”も生まれるかもしれないが、岩貞は「抑えたから偉いじゃないし、勘違いしないように。出る杭を出ないように。そういう所から歯車は狂う」と空気の引き締めにも気を配った。

 絶妙な距離と緊張感が最強ブルペン陣を形成した。(遠藤 礼)

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