なぜ2018年に打者大谷の現在の成功を予測できなかったのか? 米記者が自己分析

[ 2023年9月14日 13:08 ]

エンゼルス・大谷翔平
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スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のキース・ロー記者が、2018年、大谷翔平のメジャー1年目に、今のように頂点に立つ打者になるとは予測できていなかったとして、「なぜ間違ったのか?」を自己分析している。

 ロー記者はメジャー挑戦前から、大谷は「投手としてはすごくなる」と予測したが、打者としては疑いを持っていた。特にメジャー1年目の打者としてのアプローチやスイングから判断して「トップレベルになるには相当時間がかかるし、本人が二刀流をやりたいと言っても、果たして打者にそれだけ時間を割く価値があるのか」と考えていた。その理由は三振が多いこと。日本でも最後の2シーズンは4分の1以上が三振で、通常日本人打者はメジャーに来たらさらに三振が増える傾向がある。レッドソックスの吉田正尚でも、オリックスでの最後の2年の三振率8・1%から今年レッドソックスに来て12・9%となった。

 大谷の1年目の三振率は27・9%。大谷の大きなスイングは腕をフィニッシュに向けしっかり伸ばしていくことで、パワーを伝え、ボールを遠くまで飛ばせる。一方で特に内角低めは弱かった。ボールゾーンの球にもバットが出てしまい、メジャーの投手にそこを攻められた。加えて右投手はOPS(出塁率+長打率)1・043と攻略したが、左投手は・654と苦しんだ。さらにチェンジアップが苦手で空振り率43・9%だった。

 ところが、2年目以降の大谷は、新型コロナによる20年の短縮シーズンを除いて、弱点をひとつひとつ克服し、年々成績を向上させていった。

 そして今季ア・リーグで出塁率、長打率、本塁打数でトップに立っている。まず内角低めのボールゾーンの球については、1年目は37%に手を出し、半分以上が空振りだったが、2年目はより見極め、空振りも減った。相手投手にすれば確実に討ち取れるパターンがなくなった。左投手についても年々OPSを上げて行った。19年は・794、21年は・980、22年は・787、23年は・898である。チェンジアップについても空振り率は19年は34・1%、21年は36・6%、22年は30・5%、23年は32・6%となった。

 苦手なコース、苦手な球種がなくなり、左投手も打ち込めるようになった。一方でアプローチはより積極的になった。スイング率は18年の46%よりも今年の48・2%の方が高く、ボール球に手を出す確率も28%から29・7%、空振り率も30・6%から32・3%と、数字的には悪化している。内角低めのボールゾーンには35%手をだし、空振り率は61%である。しかしながら三振率は27・9%から23・9%と著しく減少している。その理由は見逃しストライクが1年目よりも4分の1も減っているからだ。

 18年、ロー記者は、三振が多い大谷はメジャーでは打者としてはどうかと疑問符を付けたが、今ではそれが間違いだったと認めている。今季メジャー全体の三振率は22・1%。大谷は平均より依然三振率が高い。しかしながらロー記者は「仮に三振率30%であっても、大谷はボールを強く芯で叩けるから、チームに大きな利益をもたらすことができる。そう言える打者はほとんどいない」と指摘している。バットを振ることで、相手チームにダメージを与える。今季、バレル率19・6%はアーロン・ジャッジに次ぐ全体2位、平均打球速度94・4マイルは4位にランクされている。

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