巨人の新三遊間コンビ ファンにどんな景色を見せてくれるのか

[ 2023年9月14日 08:30 ]

遊撃の守備練習を行う門脇(左)と坂本
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 歴史が動いた。今月7日のヤクルト戦(神宮)で巨人の坂本勇人内野手(34)が「人生で初めて」という三塁守備に就いた。代わりに遊撃に抜てきされたのは、ドラフト4位の門脇誠内野手(22)だった。ルーキーながら二塁や三塁で出場機会を増やし、坂本の故障離脱時には遊撃を任され、再三の好守でチームに貢献していた。

 坂本は高卒2年目の08年に遊撃のレギュラーに定着してから昨季まで15年間も守り続けてきた。遊撃のポジションは、チームにおいてまさに「聖域」。今年5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)では史上初となる遊撃のみでの通算2000試合出場を達成していた。

 記者は今春キャンプ中のコラムで、門脇について“一気に「ポスト坂本」の座を射止める勢いを感じている”と書いた。坂本の故障離脱が目立つようになってきたとはいえ、まさかルーキーイヤーにその座を取って変わるとは想像していなかった。元々、守備、走塁は評価されており、課題は打撃だった。前半戦終了時点で打率・188。プロの壁は高いように見えたが後半戦に入って、打率はみるみる上昇。13日時点で・256をマークしており、前半戦はスタメン37試合で2度だった猛打賞も後半戦は同36試合ですでに5度を数えている。

 一方、門脇を「体が強いし、ケガしないで試合に出続けられる。守備も本当に上手だなと思うし、いい選手だなと思って見ています」と自身の後継者として認める坂本も負担の大きい遊撃から三塁へ移ったことで、選手としての寿命は延びるだろう。坂本と同じく遊撃から三塁へコンバートされた例では、38歳シーズンの08年途中に移った宮本慎也(元ヤクルト)、35歳シーズンの16年に移った鳥谷敬(元阪神など)がいるが、両者はともに翌年から5年間現役を続けた。新三遊間コンビは、これからファンにどんな景色を見せてくれるのだろう。(記者コラム・花里 雄太)

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