まーるで別人!?楽天・マー君がフルモデルチェンジ プロ17年目の逆襲へ投球フォーム大改造

[ 2023年1月26日 05:30 ]

キャッチボールをする田中将(撮影・光山 貴大)
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 改造中の投球フォームを体になじませていくように、田中将は一球一球、丁寧に時間をかけ投げた。セットポジションから直球のみ11球。まだ実戦仕様の完成形ではない。それでもその姿は、別人のようなフォームに映った。

 「周りがそう思うということは、本人の中では全然違って。出力を上げればまた変わっていくと思う」

 構えから違った。以前よりグラブは若干低く、左足をクローズド気味に立ったところから始動。右足にクロスするように上げていた左足は、膝下を垂直に立てて上げ、数秒止めて「ため」を持たせた。軸足の右股関節へ体重をしっかり乗せ、体の軸を崩さずに腕を振った。

 21年の楽天復帰後は4、9勝と不本意な成績に終わった。「登板ごとの小さな変化だけではこの2年ダメだった。何か大きく変えないといけない」。ボールに乗せる出力のロスをいかに減らし、再現性を高めるか。「ロスなくいけば力は伝えられるし、制球にもつながる。ロスするように無理して頑張って投げれば体の軸がぶれて、制球もぶれる」と求める投球像を語った。

 オフの間に34歳を迎えた。肉体的に「感じる部分は正直ある」とした上で、自負をにじませた。「制球やボールの変化、切れがうまくいかないことが多く、成績にも出た。でも一つ納得いかないのは、球速が凄く落ちたと言われるが、平均球速は変わっていない」。米7年間の直球の平均球速は148・3キロ。復帰後の21、22年はいずれも最速が154キロで、平均は147・2キロと大差なかった。「大きな衰えは感じていない。今やっていることがうまくいけばまた変わる」と自信を示した。

 「200勝を早い段階でクリアできればチームもおのずといい順位にいると思う」。金字塔を通過点とすべく、まだまだ高いレベルを求めていく。(後藤 茂樹)

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2023年1月26日のニュース