スコット・ローレン氏 資格6年目で米野球殿堂入り 通算316本塁打、GG賞8度の名三塁手

[ 2023年1月26日 02:30 ]

カージナルス時代のスコッロ・ローレン(AP)
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 米国野球殿堂は24日(日本時間25日)、今年の殿堂入りの投票結果を発表し、フィリーズやカージナルスで堅守の三塁手として活躍したスコット・ローレン氏(47)が選ばれた。通算316本塁打を放ち、ゴールドグラブ賞を8度受賞。オールスター戦には7度選出された。表彰の式典は7月23日(同24日)にニューヨーク州クーパーズタウンで行われる。

 カージナルス時代の06年には田口壮(現オリックス外野守備走塁コーチ)とともにワールドシリーズを制したローレン氏。投票対象1年目の18年は10・2%と少ない得票からスタートし、6年目で76・3%の票を得て、殿堂入りの名誉を手にした。「ベストを尽くして、チームのためにプレーすることを考えていた。その答えが殿堂入りになるとは、想像もしていなかった」と謙虚に喜んだ。

 96年に野茂英雄(ドジャース)からメジャー初本塁打を放つなど通算316本塁打、2077安打の打撃に加え、三塁手としてゴールドグラブ賞8度の守備力も際立った。

 高校までは遊撃手と投手の二刀流。その後、三塁に転向し、「守備力に誇りを持っている」と胸を張る。

 強肩の上に広い守備範囲を誇り、選手がチームの勝利に貢献した度合いを示す指標の「WAR」(米データサイト・ファングラフス版)で通算69・9と高水準。殿堂入りした三塁手の通算WARの平均を上回っていることも評価につながった。

 ≪元楽天のジョーンズ氏落選≫ロッキーズで通算2519安打、369本塁打のトッド・ヘルトン氏は得票率72.2%で、殿堂入りに必要な得票率75%にわずか2.8%(11票)及ばなかった。楽天でもプレーした通算434本塁打のアンドリュー・ジョーンズ氏も58.1%まで得票率を伸ばし、来年以降の選出が期待される。歴代5位の通算696本塁打ながら、現役時代に薬物規定違反で出場停止処分を受けた資格2年目のアレックス・ロドリゲス氏は35.7%にとどまった。

 ≪25年イチロー氏の満票選出あるか≫来年の米国野球殿堂は、レンジャーズなどで通算3166安打&477本塁打のエイドリアン・ベルトレ氏が資格初年度で殿堂入りが確実視されている。翌25年には日米通算4367安打のイチロー氏(マリナーズなど)、通算251勝のCCサバシア氏(ヤンキースなど)が、同じく資格1年目の殿堂入りが確実。イチロー氏はマリアノ・リベラ氏以来2人目の満票選出も期待される。

 ▽米国野球殿堂の選出方法 競技者部門の選考対象はメジャーで10年以上プレーし、最後にプレーしてから5年以上経過した選手。全米野球記者協会に在籍10年以上の記者が成績、品格、チームへの貢献度などを考慮して投票し、75%以上得票すれば殿堂入り。選考期間は10年間で、得票率が5%に満たなければ翌年の対象から外れる。会員投票とは別に、選考委員が時代別に功績を残した選手らを選ぶ方式もある。

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