プロ注目専大松戸の151キロ右腕・平野大地は聖地躍動からドラ1浮上へ「155キロ出したい」

[ 2023年1月26日 05:10 ]

センバツで力を示し、ドラフト1位候補へと浮上を狙う平野
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 第95回選抜高校野球大会(3月18日から14日間、甲子園)の出場校を決める選考委員会が、27日に行われる。記念大会で明治神宮大会枠と一般選考で33校、21世紀枠3校の計36校が出場。ドラフト候補も、吉報を心待ちにする。出場を当確としている専大松戸(千葉)の最速151キロ右腕・平野大地投手(2年)も、その一人。初めての聖地で躍動すれば、1位候補に浮上する可能性を秘める。「超豊作年」といわれる23年ドラフトでは、平野の他にも各カテゴリーで注目選手がそろっている。

 近年、高校生の逸材は東北や西日本に集中してきた。21年ソフトバンク1位指名のノースアジア大明桜(秋田)・風間や、昨秋巨人1位指名の高松商(香川)・浅野らが筆頭だ。選抜出場の吉報を心待ちにする、ドラフト1位を狙うことができる剛腕が関東にいる。それが平野だ。「プロに行きたい気持ちはある。選抜を戦って判断したい」と慎重だが、聖地がアピールの場になる。

 無名の右腕は昨夏、衝撃デビューを飾った。千葉大会4回戦の千葉英和戦で、自己最速を3キロ更新する150キロを計測。中学まで捕手で高校入学を機に投手に転向後、わずか1年4カ月で大台に到達した。突如、現れた新星を視察したDeNA・吉見祐治スカウトは当時、「今年(22年)でもドラフト1位クラス。素材はピカイチで、めちゃくちゃ楽しみ」と絶賛した。準決勝で木更津総合に敗れたが、平野は「自信になった」と振り返った。

 秋は大黒柱として千葉県大会優勝と、選抜出場の当確ラインとなる関東大会4強進出に貢献。両肩付近の肋骨を痛めた影響で直球は140キロ台中盤も縦のカーブを有効に使った。「投球の幅が広がった。この経験は大きいと思います」。それまで決め球だったスライダー、直球とのコンビネーションで打たせて取るすべも習得する「ケガの功名」だった。

 最大の魅力は直球。夏はアベレージが140キロ台後半の試合もあり、高校生離れした出力でスカウト陣を驚かせた。ロッテ・美馬、日本ハム・上沢、ソフトバンク・高橋礼らを育てた持丸修一監督は「俺もこんなことになるとは思っていなかった。パワーは(見てきた選手の中で)一番。本物になれるかもしれない」と潜在能力の高さに驚くほどだ。

 故障も完治間近。「155キロを出したい」と燃える右腕がこの春、聖地で力を示せば、秋のドラフト会議の目玉の一人になる。

 ◇平野 大地(ひらの・だいち)2005年(平17)7月9日生まれ、茨城県稲敷市出身の17歳。小1から新利根エンゼルスで野球を始め、小4からは竜ケ崎リトルでプレー。新利根中時代は取手シニアに所属し、主に捕手を務める。専大松戸では1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒4。遠投100メートル。憧れの選手はエンゼルス・大谷。1メートル82、86キロ。右投げ右打ち。

 ≪麟太郎はセンバツ絶望的も最多本塁打更新は間近≫ 選抜出場は厳しい状況だが、花巻東の一塁手・佐々木は、早くも西武がドラフト1位候補とするなど、高校No・1スラッガーとして注目を集める。広角に長打を放つ左の長距離砲は、昨年終了時点で高校通算106本塁打を放ち、史上最多とされる早実・清宮(現日本ハム)の111本塁打の記録更新は確実だ。主将に就任し「記録は関係ない」とチーム打撃を続ける人間性も魅力。挑戦中の捕手、三塁、外野での守備力を高めれば、評価はさらに上がっていく。

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