ソフトB・和巳コーチ「ツヨシを見ろ」 開幕ローテ争奪戦のヒントは“生きた教材”和田にあり

[ 2022年12月29日 05:00 ]

ソフトバンク・斉藤和投手コーチ(右)

 ツヨシを、しっかり見なさい――。ソフトバンク斉藤和巳投手コーチ(45)が、来季でプロ21年目を迎える和田毅投手(41)の姿を参考とするよう若手投手陣に促した。和田はダイエー時代を知る現役唯一の選手として、今季プロ20年目にして自己最速149キロを記録。先発4本柱として切磋琢磨(せっさたくま)した同コーチは、切れ味の健在ぶりを称えつつ、競争が激化する来季の開幕ローテーション入りを願った。

 年が明ければ本格的な自主トレが始まる。その前に斉藤和コーチは、和田の準備、姿勢を注目するように投手陣へと投げかけた。

 「あの年齢で空振りが取れるから。年齢を重ねて若いときに考えてやった練習の量が、つながっていっている。若い人には、その辺を見習ってほしい。生きた教材なんでね」

 キャンプまでに和田のように努力しなさい。シーズン中もその背中を目に焼き付けなさいとの助言だ。ハンマー投げやカヌーなど、自主トレでは野球以外にも積極的に目を向ける探究心があり、1日最大6000キロカロリーを摂取する“食トレ”も有名。2人は斉藤和、和田、杉内、新垣で「4本柱」と呼ばれ、先発マウンドを守った間柄。4人の中で唯一、現役を続ける姿は最高のお手本と知っている。実際、先発転向する藤井とローテーション入りを狙う板東が1月の自主トレに入門する。

 自主トレだけではない。斉藤和コーチがまだ、野球解説者だった5月29日の広島戦(ペイペイドーム)。41歳で自己最速を更新する149キロをマークした姿にはうなった。「さすがやね。球の質は若い時の方が力があったかもしれんけど、球の切れはね。彼には1年でも長くやってほしいし、頑張ってほしい」

 年明けからの自主トレのテーマを「出力」とし、42歳シーズンの自己最速更新を狙う左腕に「150キロを目指すと言って、狙っても出ない。151、152キロを狙って投げていかないと」。限界突破を狙うためには、貪欲な目標設定が大切と助言。常に現状打破を望む「お手本」であってほしいとの願いだ。

 先発候補は阪神を退団したガンケルも加入し、実に豊富。開幕ローテーション争いはし烈だが斉藤和コーチは「(候補は)まっさらではないよ。誰もが分かるメンバーとか。個人的には確定にはならないような状態をつくりたい。競争なんで。過去の実績も考慮するけど過去だけでやっているわけやないから」。次のエースを狙う東浜や石川、若手や新戦力の台頭、そして衰え知らずの和田を含めた争いが、頭の中に描かれているようだった。

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2022年12月29日のニュース