ロッテ・田中靖“真面目な男”が来季からトレーナーに「しっかりとサポートしたい」

[ 2022年12月29日 05:45 ]

西武で10年、ロッテで7年腕を振り続けた田中靖(撮影・木村揚輔)
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 残り3日となった2022年。プロ野球界では新たな一年を前に、ドラフト会議で126選手(育成含む)が指名された。一方で、多くの選手たちがユニホームを脱ぎ、新しい人生をスタートさせる。年末恒例の「惜別球人」で去りゆく選手を紹介する。

 【ロッテ・田中靖洋】11月20日に開催されたファン感謝デーで、田中靖は「ライオンズで10年、マリーンズで7年、たくさんの出会いに恵まれました。幸せな選手生活を送ることができました」と現役引退のあいさつを行った。

 決して派手な野球人生ではない。通算209試合に登板し、10勝9敗2セーブ、防御率3・81。西武で1軍デビューを飾った10年に、発熱した西口(現2軍監督)の代役として1試合だけ緊急先発したが、残りの208試合は全て救援登板だった。15年に戦力外。そんなときに拾ってくれたのが、5歳年上の兄・良平氏もかつて所属したロッテで「縁を感じますよね」と振り返った。

 19年のことだ。守備練習中に左目の下を10針縫うケガを負った中村奨が、風呂場で洗髪するのに苦労している姿に気づき、田中靖が傷口を避けながら洗ってあげた、ファンの間で有名なエピソードがある。生え抜きではないが真面目で、後輩たちに優しく、時には厳しくできる。そんな性格が球団にも評価された。来季からはストレングストレーナーに就任し、若手のトレーニングを指導する。

 「今年まで現役だったので、選手の気持ちを理解しながら、しっかりとサポートしたい」。まさに適材だ。(横市 勇)

 ◇田中 靖洋(たなか・やすひろ)1987年(昭62)6月21日生まれ、石川県出身の35歳。加賀時代に捕手から投手に転向し、3年時に県選抜メンバーとして日米親善試合に出場。05年高校生ドラフト4巡目で西武入り。15年に戦力外になり、16年にテスト入団でロッテ移籍。1メートル83、88キロ。右投げ右打ち。

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