中村武志氏22年セ・リーグ総括　3位が借金球団なら2位球団にCS1勝のアドバンテージを！

中村武志氏
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　ヤクルトの連覇は、やはり昨季の優勝と日本一の経験が大きい。オリックス同様に圧倒的な戦力はなくても、チーム全体で戦っている強さがある。加えて巨人や阪神など他球団の低迷も大きかった。

　村上は三振が減り、四球が増えたことが示すように、ボール球に手を出さなくなった。捕手出身の私から見て、打ち取るのが難しい打者に成長した。中日でバッテリーコーチをしていた昨年感じたことだが、金メダルを獲得した東京五輪の経験も大きい。自信をつけて、オーラ、風格が出てきた。その村上の前後のバッターも引き立てた。特に塩見の存在が大きく、走者を置いて打席を迎える村上は打点を稼ぐことができた。村上の後ろにもサンタナ、オスナがいて、気の抜けない打線だ。

　ヤクルトの連覇を称える一方で、他球団には厳しいことを言いたい。セ・リーグは昨季の巨人に続き、今季も借金を抱えた3位の阪神がCSに進出することになった。2年連続だ。来年以降は何か罰則的なものを設けないと不平等に思える。個人的には3位が借金球団なら、ファイナルステージ同様に2位球団に1勝のアドバンテージを与えるべきだ。ファーストステージは2戦先勝だから借金球団は1敗した時点で終わりだが、野球ファンも納得するはずだ。レギュラーシーズンの結果を尊重するためにも、NPBは本格的に議論してほしい。（スポニチ本紙評論家）

　≪勝率5割未満8チーム目に≫借金3の阪神がCS進出。勝率5割未満でのCS進出（04～06年パPOも含む）は延べ8チーム目。そのうち、借金3以上は13年広島（借金3）、18年巨人（借金4）に次ぎ3チーム目で、過去2チームはともにファーストSを突破（ファイナルS敗退）したが、阪神はどうか。