これぞ中嶋マジック!オリックス強さの秘けつは141通りの先発オーダーにあり

[ 2022年10月3日 07:30 ]

パ・リーグ   楽天2―5オリックス ( 2022年10月2日    楽天生命 )

歓喜のオリックスナインの中心でガッチリ握手を交わす中嶋監督(中央右)と山本(撮影・村上 大輔)
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 オリックスが大激戦を制し、2年連続14度目のリーグ優勝を果たした。中嶋監督が選手としてプレーした1995、96年以来となる連覇の要因をデータから探ってみた。 

☆11.5差を逆転 5月11日時点で首位楽天に11.5ゲーム差をつけられたが、6月から9月まで4カ月連続で月間勝ち越し。9月11日にはソフトバンク、西武とゲーム差なしで並ぶなど史上まれに見る大混戦を制した。10ゲーム差以上からの逆転Vは両リーグ8チーム目で、パでは63年西鉄の14.5差に次ぎ、16年日本ハムと並ぶ2番目の大逆転劇。首位在位は開幕戦勝利の3月25日、9月10日に次いで3日しかなく、V決定までの日数としては08年巨人と19年西武の11日を下回り最少となった。

 ☆就任1年目から連覇 中嶋監督は就任1年目からリーグ連覇で、36年秋、37年春の巨人・藤本定義監督、86~88年の西武・森祇晶監督に次いで3人目。最下位→優勝→優勝は、75~77年の巨人・長嶋茂雄監督、20~22年ヤクルト・高津監督に続き3人目になるが、前年最下位のチームを引き継いでの2連覇は中嶋監督が初めて。

 ☆投手4冠を複数回は初 山本は15勝、勝率.750、205奪三振、防御率1.68で、プロ野球史上初となる2度目の「投手4冠」を2年連続で達成。昨季に比べて数字は劣るが、2完封のうち6月18日西武戦はノーヒットノーラン。7回以上で自責点2以下のハイクオリティースタートは26試合中20度で昨季と同じだ。8回無失点で交代した試合も5度あり、あえて完封しなかったともいえる。リーグ最多の193回を投げて暴投0も特筆に値する。

 ☆打線の中心 吉田正は複数安打45度がリーグ最多で、殊勲安打30本も山川(西)の31本に次いで2位。得点圏打率.367もリーグ2位と勝負強さが光った。昨季は本塁打を打った試合に12勝7敗2分けだったが、今季は15勝2敗1分けの勝率.882と勝利につながる一発が増加。結果球が直球だった時の打率は昨季の.315から1日時点で両リーグトップの.392へ上昇し、力強いスイングで打線を引っ張った。

 “中嶋マジック”が進化。先発オーダーは143試合で141通りの日替わり打線で前回連覇時の仰木彬監督を思わせた。1番には86試合の福田を筆頭に16人を起用し、06年の15人を超えて球団最多。就任2年目で初めて3日連続登板も解禁した。山崎颯は9月18~20日のソフトバンク、ロッテ3連戦に救援し、20日にはプロ初セーブ。優勝チームでセーブ8人は77年巨人(8人)、78年ヤクルト(9人)に次いで3チーム目で、パでは初。最多登板投手が50試合に満たないのは、120試合制だった20年を除けば02年以来20年ぶり。

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2022年10月3日のニュース