日本ハム・鈴木が2試合続けて先発の仕事果たす 新庄監督は“苦手だった”サブマリンに「クリソツ」と評価

[ 2022年8月24日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム0―0オリックス ( 2022年8月23日    釧路 )

5回、降板を告げられ舌を出す日本ハム・鈴木(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの鈴木健矢投手(24)が釧路の風を味方につけた。7回日没コールドで引き分けた23日のオリックス戦に先発し、4回2/3を6安打無失点の粘投。試合開始から風速10メートルを超える強風が吹き荒れる悪天候の中、元ロッテ・渡辺俊介氏(現日本製鉄かずさマジック監督)ばりの風を利用した投球術で試合をつくった。

 地上すれすれのサブマリンから放たれた白球が、予測不能な変化を描いた。鈴木の投球に幻惑された打者は、好機でことごとく打ち上げるばかり。5回1死満塁では頓宮を二飛に打ち取り、2安打を許している小田を迎えたところで吉田にマウンドを譲った。4回2/3を投げ、6安打を打たれながらも“風”を武器に要所で粘った。

 「アンダースローは風が利用できる。今日は風に助けられた」

 試合が始まった午後1時は南南西の風10・1メートル。中堅から本塁に向かって強風が吹いており、下手投げ独特の軌道や空気抵抗の関係から、投げるたびに異なる変化を見せた。

 この日、14個のアウトのうち実に8個がフライアウト。4回無死満塁は2つのフライアウトを奪うなどして脱出した。「スライダーは曲がりや軌道が(風で)変化する。フライを狙って(アウトを)取りに行っていました」。不規則な変化で翻弄(ほんろう)した。

 サブマリンで名をはせた元ロッテの渡辺氏も、風を利用した投球術で有名だった。新庄監督は現役時代に最も苦手とした相手だけに「俺ならおなか痛いって休んでいる。投げ方も(渡辺氏に)クリソツ(そっくり)でしょ」と、独特な言い回しで右腕を評価した。

 今春から指揮官の勧めで横手から下手投げに挑戦。さらに前回11日の西武戦で先発転向したばかりだが、既ににものになりつつある。「まだまだ課題だらけだが、アウトの取り方、攻め方はつかみかけてきたと思う」と鈴木。魔球に磨きを掛け、先発の柱へ“浮上”する。(清藤 駿太)

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2022年8月24日のニュース