ソフトBリチャード 終盤戦の切り札になれるのか? 小久保2軍監督から“愛のムチ”で意識改革

[ 2022年8月24日 12:24 ]

ソフトバンク・リチャード
Photo By スポニチ

 このまま終わってしまうのか。または息を吹き返すのか。大混戦のパ・リーグはシーズンは終盤。V奪還への切り札になり得るソフトバンク・リチャード内野手(23)は開幕前から正三塁手を期待されたが、現在は2軍暮らし。小久保2軍監督からは一皮むけるためのヒントを得た。

 2軍戦4試合連続本塁打をマークし、12日オリックス戦から1軍昇格。しかし、3戦連続スタメンも10打数無安打、6三振。守備でも精彩を欠き、涙を流した。16日、降格を命じられ、小久保2軍監督の部屋に呼び出された。約30分間。胸と胸を突き合わせて話し合った。小久保監督からは「本気でレギュラーを取りにいくようには見えない。ここまでやってダメなら仕方ないと思えるまでバット振っているか?軽い目標は口にするな。行動と言葉が合ってない」とハッキリ言われたという。厳しい言葉にも聞こえるが、“愛のムチ”だ。リチャードの胸の奥に刺さった。

 持ち前のパワーは球界トップクラスと言われながらも、結果が出ない原因は練習量とメンタルと分析。リチャードは「もっと振り込んで、自信をつけたい。小久保監督の言葉は凄く納得したし、これは間違いなくそうだと思いました。監督に呼んでもらって、言葉を掛けてもらって、本当に良かった。肝に銘じてやっていきたい」。これまでの甘えを痛感。明らかに目の色が変わっていた。

 今季は21試合の出場で打率・172、3本塁打、5打点。打席では結果を求めるばかり、ボール球に手を出すケースが目立ち、「打ちたい気持ちが強すぎた。まともに勝負に来ていないのに、厳しいボールに手を出してしまう。四球を取れたのに三振することが多いので、気持ちをコントロールすることだけだと思う」。課題は冷静さ。21日ウエスタン・リーグオリックス戦では、ともに追い込まれながらも2四球。意識は変わりつつある。23日中日戦では1発を含む2安打2打点。これで、15本塁打57打点で堂々のリーグ2冠を走り続けている。

 チームは主砲の柳田、周東、牧原大、柳町、中村晃、三森らが新型コロナウイルス陽性で離脱する超緊急事態。ライバルたちが次々と昇格する中、代替選手に名前が挙がらない悔しさはある。しかし、思えば昨年9月5日オリックス戦。プロ初本塁打となる満塁弾を放つと、そこから34試合に出場で7本塁打を記録。勝負所でのアーチは強烈なインパクトを残した。 残り34試合。藤本監督は「若手を試す試合は少なくなってくる。状態のいい選手を使っていく」とチャンスは多くないだろう。それでも、進化したリチャードの可能性を信じてみたい。(記者コラム・福井 亮太)

続きを表示

2022年8月24日のニュース