ヤクルト「村神様」が45号V3ラン!「世界基準」の主砲が連覇へけん引

[ 2022年8月24日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5―4広島 ( 2022年8月23日    神宮 )

<ヤ・広>6回1死一、二塁、村上は右越え3ラン(撮影・小海途 良幹)
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 ヤクルトの村上宗隆内野手(22)が23日、広島戦で6回に決勝点となる45号逆転3ラン。敗れれば2位DeNAに3ゲーム差に迫られる窮地で、4番の仕事を果たした。打撃3部門トップを維持し、シーズン57発ペース。今や「村神様」は海の向こうでも注目を集め、米メディアは本塁打を量産するヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)と比較。「世界基準」の主砲がチームを連覇へとけん引する。

 吠えた。体を思い切り回転させた先にベンチのみんなが見える。「WOW(ワオ)!」。村上が十分すぎる手応えに両手を叩き、仲間に向かって人さし指をさしながらゆっくりと歩き出した。

 「絶対打ってやろうという気持ちだった。何とか逆転したいと。完璧です。最高です。勝ちにつながる一打を打てたのはうれしい」

 劣勢の展開をはね返した。2―4の6回1死一、二塁。1ボールからの2球目、島内の内角高め153キロ直球を完璧に捉えた。右翼席上段まで届く逆転の45号3ラン。球団日本人最多で並んでいた04年岩村明憲を抜き単独トップに立った。初球は同じコースの直球を空振り。「1球目の空振りで相手のストレートの感じやタイミングを確認できた。修正できた」。あまりの威圧感に最近は厳しい内角攻めに遭う中で、相手を黙らせる特大弾だ。

 打率・327、45本塁打、110打点の打撃3部門トップをキープし、シーズン57発ペース。その打棒に米メディアも目を向け始めている。23日付の米CBSスポーツは「歴史に残るようなスイングをするのはジャッジだけではない。村上は日本プロ野球のシーズン本塁打記録と、3冠王を追い求めている」と伝えた。大リーグではヤンキースのジャッジが47本塁打と、シーズン60発も視界に捉える量産態勢の独り旅。村上も13年にバレンティンが残した日本プロ野球記録60本に迫りつつあると注目した。

 本塁打を1本打つのに要した打数を表す本塁打率(打数÷本塁打数)は、ジャッジが9・4に対して、村上は8・4。投打二刀流のエンゼルス・大谷を抑えてMVP争いでトップを行くとみられているジャッジだが、「村神様」はそれすらも上回るハイペースだ。

 最年少150本塁打に王手をかけ、2位・DeNAとのゲーム差4をキープした。誰もが打ってほしいと願う場面で、また打った。「チームとして優勝するのが一番の目標。自分たちの野球をして、目の前の試合を勝つ」。2年連続の頂点へ、世界もうならせる打棒は凄みを増すばかりだ。(青森 正宣)

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