中村武志氏 打つべくして打った中島の満塁弾 相手の術中にはまったDeNAバッテリー

[ 2022年4月27日 22:44 ]

セ・リーグ   巨人8─2DeNA ( 2022年4月27日    横浜 )

<D・巨>4回、中島(右)に満塁弾を浴びた坂本(撮影・島崎忠彦)
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 巨人の中島は、満塁に強いバッターだ。投球に対して、逃げずに向かっていくタイプだからだ。相手バッテリーは満塁で当てられないインコースには投げづらい。そんな状況下で、中島は外寄りのボールに狙いを絞り、甘く入ったチェンジアップを打つべくして打った。ベテランらしさが、存分に出ていたグランドスラムだった。

 私は昨季まで中日でバッテリーコーチを務めたが、中島には満塁機にやられた印象が強く残っている。横浜スタジアムという狭い球場。左翼方向には風も吹いており、中島という満塁に強いバッターに回った時点で、打つ予感がしていた。

 DeNA側から見ると、打たれるべくして打たれた。疑問だったのは捕手の嶺井のリードだ。カウント1―1から、なぜ内角に直球を2球続けたのか。中島は最初の内角直球に全く反応せずボールとなった。1球ならいいが、再び内角直球にボール球を投げても振ってはこない。当てられないインコースに投げづらい状況で裏をかいたというなら非常に危ない配球といえ、結果的に3―1とカウントを悪くしてしまった。フルカウントまで持ち込んだものの、2球ファウルで粘られ、最後は甘く入ったチェンジアップを狙われた。
 フルカウントからカウントを取りにいったチェンアップを勝負球で投げるのなら、第1打席で空振り三振を奪ったカットボールの方がまだ良かった。いずれにせよ、DeNAバッテリーは中島の術中にはまったと言える。

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2022年4月27日のニュース