昨季までとは違う声量、ギラギラ感…相手ファンからも拍手が起きた日本ハムのシートノック

[ 2022年2月21日 09:00 ]

日本ハム・新庄監督
Photo By スポニチ

 明らかに違った。日本ハムにとって今季初の対外試合となった8日の阪神戦(宜野座)の試合前シートノック。選手の声量、盛り上がり、ギラギラ感。新庄監督から「横一線」を強調された選手が醸し出す雰囲気は、昨季までのものとは大きく変わっていた。シートノックが終了すると多くの阪神ファンから拍手が起きた。指揮官が求める「お金を払ってでも見たい」ノックを見せるという意識が選手たちに根付き始めたのだと感じた。

 選手たちを変わらせたのは、モチベーターとしての指揮官の力量だろう。この試合は開始直前まで選手に先発が発表されず、選手が知ったのは場内にアナウンスされた時。シートノックは各自、自分のポジションで受けていたが、試合での布陣は遊撃・五十幡、三塁・万波、中堅・細川など内外野をシャッフルしたもの。名前が一人、一人読み上げられるたびに沸き立つ選手の姿に、指揮官は「面白かったね。最高」と、してやったりの表情だった。その後もガラポン抽選器を使用するなど、厳しい競争の中にも「エンジョイ・ベースボール」の意識を植え付けている。

 紅白戦で好プレーをした選手を自らマイクを使用し、ファンにも拍手を求めて称える。シートノック前には「これからかっこいいシートノック始まります」とファンに呼びかけ、選手に緊張感を与える。とにかく選手の士気を高め、選手を盛り上げるのがうまい。練習試合でも登録ポジション以外の守備位置を守らせ、緊張感を与えている。

 「プロに入って決まったポジションでやるのが普通になっていたので、それが今までと違った形で行われている。僕らも新鮮だし、新しい気持ちで守れているのかなと思う」と万波。郡も「少年野球はどちらかというと、こういう感じでワイワイやっていた。中学・高校はやっぱり厳しさもあったので、本当に少年野球に戻ったような楽しさ」と目を輝かせる。3月25日の開幕戦まで約1カ月。若いチームがどのように成長していくか、注目している。(記者コラム・東尾 洋樹) 

続きを表示

2022年2月21日のニュース