中嶋オリックス常勝軍団への分岐点 「勝利と育成の両立」に“競争”加え“勝負の2年目”に挑む

[ 2022年1月7日 07:30 ]

<オリックス新入団選手発表>新入団選手発表会見で話す中嶋監督(撮影・後藤 正志)
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 真価が問われるシーズンとなる。オリックス・中嶋監督は、96年以来26年ぶりのリーグ連覇&日本一へ、手綱を緩めない。就任直後から掲げる「勝利と育成の両立」に“競争”を加え、今季も混戦が予想されるパ・リーグで抜け出す構えだ。

 「昨年のレギュラーであって、レギュラーは、何年もやって、というもの。まだですよね。初めて1年間、試合に出た、初めて規定打席に立った選手もいる。今年、他の選手がもっとやってくれるなら、そっちがレギュラーになるし、それがプロ野球。そのメンバーが増えてきているのは、ちょっと感じます。常に競争してくれたらチーム力は上がると思う」

 それは、昨季4番を担い本塁打王に輝くなど大覚醒したラオウこと杉本でも同様だ。

 「昨年の成績を出してくれるなら、そう(4番)だと思う。けど、昨年の春先あまり良くなかったからね。途中からだったので。“(4番を)はい、どうぞ”なのか…という感じはありますよね」

 過去にネット上などで頻繁に“吉田正頼み”とやゆされてきた打線を活性化させ、前年最下位からの急上昇を実現させた立役者の1人と言えるラオウでも例外ではない。もちろん、期待の裏返し。激しいチーム内競争は常勝軍団への推進力となるはずだ。

 指揮官は大局を見据えている。昨季は3番に吉田正、4番に杉本を起用。青学大コンビに主軸を託したが、固定観念にとらわれず、変化も恐れない。

 「いろんなことも考える。(吉田正と杉本の間に誰か)入れてみたら、どうなるのかなっていうのもある。4番なのか、5番なのか。考えられるよね。2人をくっつけるなら、2番、3番…。例えば正尚が4番なら、杉本が5番になる。挟んだ方がいいのか、くっつけるのがいいのか。昨年はそうだったけど、今年はどうなるか分からない。固定しすぎても、何年かはいいかもしれないが、考えていた方がいい。新しいヤツが入ってきて、認めないけど、ベニ(紅林)が3番に入ってきたりとかさ、いろいろ膨らむ。打順は固定ではなく、“生きもの”やと思っているからね」

 充実した戦力を誇るソフトバンクや楽天、組織力のロッテや強力打線の西武、昨季唯一負け越した日本ハムには新庄新監督が就任した。采配は未知数だが、1年前の自軍と重ねれば、ビッグボスの改革が大躍進を招いても不思議はない。

 「パ・リーグ、強えなっていうか。勝ち残るのが凄く難しいよね。6球団ビタビタで、どこもチャンスがあるみたいなことになると思う」

 昨季25年ぶりのリーグ優勝は実力か、勢いか。常勝軍団への分岐点――。中嶋オリックスが“勝負の2年目”に挑む。(記者コラム・湯澤 涼)

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2022年1月7日のニュース