観客いるからこそ コロナ第6波警戒強まる中…2年続けて無観客での「球春到来」にならないこと願う

[ 2021年12月28日 09:00 ]

21年もメジャー帰りの田中ら楽天ナインが国頭郡金武町でキャンプを行った
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 コロナ関連の報道を見ていると、最近は「新型コロナウイルス」というワードがすっかり「オミクロン」に置き換わった感がある。第6波への警戒が強まる中、気がかりなニュースが。沖縄県金武町の米軍基地「キャンプ・ハンセン」で発生している大規模クラスターは人ごとではない。同町は記者が担当する楽天の春季キャンプ地。東京で生活しているとほぼ耳にする機会がない「きんちょう」という地名を、一連の報道で頻繁に見聞きするようになった。

 沖縄本島中部の東海岸に位置し、阪神のキャンプ地でもある宜野座村とも隣接している海沿いの静かな町。人口は1万1478人(11月末現在)で、タコライスが有名だ。町のホームページによると、総面積(37・76平方キロ)の約60%(22・45平方キロ)を米軍の基地が占めており、中心部には基地で働く人たちに向けた飲食店や商店も多い。テレビのニュースでは連日、マスクなしで町内の闊歩(かっぽ)する米兵の様子が報じられいるが、多少の土地勘がある記者も「あ~、あの辺りだな」などと思いながら映像を見ている。

 沖縄県では本島北部を中心に医療逼迫が懸念されている。来年2月1月のキャンプインまで1カ月強。その頃までに感染状況が落ち着いていればいいが、オミクロン株の市中感染が拡大している現状を鑑みれば、楽観視はできない。事実、沖縄でキャンプを実施する球団の関係者の多くが気をもんでいる。

 来年のキャンプは、人数制限を設けた上で2年ぶりに有観客での実施が予定されている。楽天のほかロッテ、日本ハム、ヤクルト、阪神、巨人、広島、中日、DeNAの各球団が沖縄県内の各地でキャンプを実施する予定だ。

 キャンプ見学やオープン戦観戦で沖縄や宮崎への旅行をしている人も多いだろう。シーズン開幕前であっても、観客の存在は不可欠。選手たちはファンの視線を感じながら練習することで緊張感と活気が生まれる。子どもたちにとってもプロアスリートに間近で触れることで憧れを抱く。2年続けて無観客での「球春到来」にならないことを願うばかりだ。
(記者コラム・重光晋太郎)

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