【槙原寛己氏の目】巨人と阪神の勝敗分けた「1点」への意識の差 菅野の「1点」もやらない投球術さすが

[ 2021年11月6日 21:40 ]

セCSファーストS第1戦   巨人4―0阪神 ( 2021年11月6日    甲子園 )

5回無死一塁、ウィーラーは送りバントを決める(撮影・大森 寛明)
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 巨人・菅野は立ち上がり制球が安定しなかったが直球、カーブ、フォークのコンビネーションで阪神打線を抑えていった。巨人キラーである阪神・高橋との投げ合い。序盤で点を与えると主導権を渡してしまう。それが分かっている菅野は1点もやらない慎重な投球に徹した。

 菅野だけでなく巨人はベンチ全体が「1点」にこだわる野球をしていた。このCSは12回ではなく9回打ち切り。引き分けは巨人にとって負け同然だ。菅野を立てても0―0では意味がない。5回先頭の丸が内野安打で出塁。続くウィーラーが送りバント。中島の右前打で1死一、三塁とし、吉川が中前打。苦手の高橋から先制点をもぎとった。

 巨人とは逆の立場、0―0の引き分けでもいいはずの阪神がこの場面でなぜ吉川を歩かせ、小林で勝負する選択をしなかったのか。この試合に対する両チームの「1点」への意識の差が鮮明になった場面だった。

 3点リードをもらった菅野は6回2死二、三塁のピンチで近本を大胆な力勝負で遊飛に打ち取った。試合展開を読み、投球を変える引き出しの多さ。菅野がさすがエースという投球をした。

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