阪神・スアレス レジェンド球児超えの先に奇跡Vが見える 球団記録46セーブにあと「5」

[ 2021年10月16日 05:30 ]

球団記録の46セーブも視野に入れるスアレス
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 阪神は、17日の広島戦から逆転優勝を懸けて本拠地・甲子園球場で勝負の5連戦を迎える。キーマンは守護神のロベルト・スアレス投手(30)で、07年藤川球児が残した球団記録46セーブまであと「5」に迫る。加えてシーズン50試合以上の登板で被弾0なら球団史上初の快挙だ。ヤクルトとは2・5ゲーム差で、背番号75のフル回転が奇跡を現実のものとする。

 残り8試合で背番号75が何度、最終回のマウンドに上がるか。逆転優勝へのカギを握るのは間違いなく、虎の絶対守護神スアレスだ。開幕から圧倒的パフォーマンスで「最後の砦(とりで)」として君臨し、防御率1・21、リーグトップを独走する41セーブ。07年に藤川がマークした球団記録の46セーブも見据えた上で、目の前の勝利に全力を注ぐ決意を口にした。

 「もちろんね、それ(球団記録)もありますけど、一回一回のセーブの機会を積み重ねていきたいと思います」

 5セーブ以上を記録し、球団記録や新記録を打ち立てることは、すなわち首位・ヤクルトの猛追を意味する。「チームがここにいるというのは、やっぱりスアちゃんが1年間、抑えで期待通りに投げてくれているからこそなんで」と今季の無双ぶりを称えた矢野監督も、全面バックアップを約束。「記録も塗り替えていってくれるようなことをしてくれると、チームのためにもスアちゃんのためにもなるんで。そういう機会をたくさんつくれるように」と、その背に奇跡の道筋を描いた。

 加えて、もうひとつの“快挙”も視界に入る。ここまで59試合、59回1/3を投げて被本塁打ゼロを継続。直近では19年にジョンソンが51試合目で来日初被弾しており、過去50試合以上に限っても球団史上初になる。60試合以上で本塁打を浴びないままシーズンを終えるのは驚異的。セーブ記録とともに助っ人右腕の大きな勲章になる。

 激しい優勝戦線でリミッターはすでに解除済みで、9日のヤクルト戦、12日の巨人戦とイニングまたぎで零封。3連投となった前日14日の巨人戦も危なげなく3人で斬り、安定感はシーズン最終盤でも揺るぎない。チームをミラクルな歓喜の瞬間に連れていくのは、この男しかいない。(遠藤 礼)

 《2年連続最多S目前》スアレス(神)は今季59試合で59回1/3を投げ、被本塁打が1本もない。シーズン60試合以上登板で被弾なしは今季の平良(西=62試合)が継続中だが、セ・リーグで達成なら11年浅尾拓也(中=79試合)以来10年ぶり。阪神では1リーグ時代を通じて初めてになる。また、16日に栗林(広)がセーブを挙げなければ、昨季に続いて最多セーブのタイトルが確定。2年連続セーブ王なら、阪神では14、15年の呉昇桓(オスンファン)以来2人目だ。

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