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巨人の中田、加入翌日早くもデビュー 代打で出場、四球と中飛 “新たな自分”へ第一歩

[ 2021年8月22日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人2―7DeNA ( 2021年8月21日    東京D )

<巨・D>6回、代打で移籍後初出場した中田は四球を選ぶ(撮影・森沢 裕)
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 暴力行為による出場停止処分を受け、日本ハムから無償トレードで巨人に移籍した中田翔内野手(32)が21日、DeNA戦で移籍後初出場した。前日の処分解除を受けてこの日出場選手登録され、6回に代打で四球を選んで好機を拡大。一塁守備も無難にこなした。チームは完敗で4月1日以来の首位浮上はならずも、戦力として期待感を持たせた。

 過ちを犯した。周囲の人々を裏切った。だが、その周囲の支えで再出発の舞台が整えられた。試合前の円陣。中田はいきなり坂本から「翔!」と指名された。照れくさそうな表情で中央へ。主に若手が担当する日本ハムでは最近は務めていなかった声出しだ。「頑張ろう!さあ行こう!」。いつ以来だろう。腹の底から声を出した。

 「一からという気持ちで明日からしっかりやっていきたい」。試合に敗れたためコメントは一言だが行間から充実感がにじんだ。前日の電撃トレード発表から一夜明けて出場選手登録されベンチ入り。古巣の札幌ドームでは股を広げわが物顔でベンチに座っていたが、増田大らと並んで立って戦況を見た。出番は6回。同点とし、なお一、二塁で代打で登場した。日本ハム時代と同じ登場曲。ある思いを胸に打席に入った。

 4日に同僚への暴力行為で11日から出場停止処分。巨人移籍が決定した際に栗山監督から電話である言葉を贈られた。「大死一番絶後再蘇(だいしいちばんぜつごにふたたびよみがえる)」。禅の言葉で「大死一番」とは「死ぬ覚悟で物事に取り組む」、「絶後再蘇」は「その後に新たな自分に生まれ変わる」という意味だ。「翔には全てを捨て、本当に裸になり、ゼロから野球に取り組んでほしい」という恩師の強い思いが込められている。

 謹慎中に引退も覚悟した男が栗山監督への感謝の思いも胸に立った移籍後初打席。バットを大きく構えた。結果はストレートの四球。後続は倒れたが、役目は果たした。9回の2打席目は中飛。それでも3球目から3球連続ファウルで粘るなど必死な姿勢を見せた。

 新天地の一員として動いた。試合前に球団に読売新聞社などが設立した「全国コロナ医療福祉支援基金」への寄付を申し出た。チームが2月に行ったもので坂本、菅野、丸と同額の300万円を寄付する意向。自分と向き合った時間で医療従事者への感謝の思いを再確認し行動に移した。

 原監督は「いろいろな意味で落ち着きをさらに増すでしょう」と言った。再起への道はスタートした。差し伸べられた手に、覚悟を持って応えていく。(神田 佑)

 【中田の今季】

 ☆バット破壊&右目強打 4月7日のソフトバンク戦の5回に空振り三振後、ベンチ内でバットを叩きつけ破壊。その後にベンチ裏で転倒して右目付近を強打し途中交代。翌8日に右目を大きく腫らした姿で球場に姿を現し試合も欠場。

 ☆打撃不振で2軍調整直訴 腰痛の影響で打率1割台に低迷し、栗山監督に2軍再調整を直訴。5月17日に出場選手登録を抹消される。

 ☆急性腰痛 6月8日の阪神戦の3回の打席で腰痛で途中交代。翌9日の精密検査の結果は急性腰痛。

 ☆暴力行為 8月4日に函館で行われたDeNAとのエキシビションマッチの試合前のベンチ裏で同僚1人に暴行。試合で途中交代し、札幌の自宅に強制帰宅を命じられる。

 ☆処分発表 同11日に球団は暴力行為が統一契約書違反で1、2軍全試合の出場停止処分を科したと発表。「出場停止選手」としてコミッショナー公示された。

 ☆電撃トレード 同20日に日本ハムから無償トレードで巨人移籍発表。都内で行われた入団会見では金髪を黒髪に染めてひげもそって謝罪。出場停止処分も同日付で解除され、東京ドームで1軍に合流した。

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