コロナ集団感染で出場辞退の宮崎商・橋口監督「無念極まりない」

[ 2021年8月18日 05:30 ]

10日の開会式に臨んだ宮崎商ナイン

 宮崎商が出場辞退を申し入れたのは、午前9時半頃だった。門田誠校長が大会本部へ電話で連絡。受理され、正式に決まった。開幕後の辞退も、不戦敗も大会史上初。日本高野連・八田英二会長はオンラインで会見し、選手たちの心情を思いやった。

 「選手たちの無念を思うと、言葉もありません。厳しい練習を重ね、いよいよ晴れ舞台というところでの辞退。悔しさはいかばかりか」

 本来なら大会6日目の第1試合で智弁和歌山と対戦。17日の3試合順延を受け、あす19日の予定だった。16日までに選手ら6人の陽性を確認。大会本部は同日夜の緊急対策本部会議で新型コロナウイルス感染対策ガイドラインにのっとり、集団感染と判断した。この時点で門田校長は「出場は厳しい」と認識。朝になって医療機関の検査で陽性者13人、保健所から8人が濃厚接触者と判断され、苦渋の決断を下した。

 橋口光朗監督は選手一人一人にホテルの内線電話で「最後はグラウンドでさせたかった」と伝えたという。「最後の試合を甲子園でプレーさせてあげられなかったのが申し訳なく、無念極まりない」。大阪入り後、ガイドラインに沿って感染対策を徹底しても感染が広がり、「本当に怖いと思いながら対策を意識したが…」と無念さをにじませた。

 今春選抜で優勝した東海大相模(神奈川)や星稜(石川)など強豪校が集団感染で今夏の地方大会を出場辞退。本大会でも恐れていた事態が起きた。八田会長は近隣の医療機関などに負担をかけたことを謝罪し、今後はベンチ内で選手のマスク着用厳守など対策強化を強調。夜には東北学院の辞退も決まり、大会の今後について「行政機関の指示に従う」とした上で「感染対策を徹底して、大会は最後まで続けたい」と強い決意を示した。

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