日本ハム・上沢 今季チーム初完投6勝目「マウンドでハイタッチできるのはいいな」チームは2連勝

[ 2021年6月19日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム2―1ソフトバンク ( 2021年6月18日    ペイペイD )

<ソ・日>9回2死一、二塁、長谷川を左飛に抑えガッツポーズする上沢(撮影・岡田 丈靖)
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 日本ハムの上沢直之投手(27)が、リーグ戦再開初戦となった18日のソフトバンク戦でチーム今季初完投とする1失点完投。自身6連勝でチームを2連勝に導いた。伊藤大海投手(23)が交流戦で3戦3勝の活躍。新人右腕の活躍に刺激を受けたエースが、これぞ大黒柱の安定感抜群の投球で、クオリティースタート(QS、6回以上、自責3以下)は10試合連続まで伸ばした。

 ふらふらっと上がった打球を祈るように見つめた。9回2死一、二塁。上沢は長谷川を内角直球で詰まらせたが、左前への飛球に。左翼・西川が俊足を飛ばしてスライディングキャッチで好捕すると、上沢は珍しく大きなガッツポーズで感情を爆発させた。
 「自分で試合を締めくくれるのはうれしい。みんなとマウンドでハイタッチできるのはいいなと思った」。笑顔でナインを出迎えた右腕は、マウンド上で127球の熱投の余韻に浸った。

 2―0の7回に2死三塁からボークで失点した。軸足の右足を投手板と平行に置き、左足を引いてから投げる上沢のワインドアップが、走者を置いたこの場面ではセットポジションとみなされたためだった。「切り替えるのが難しかった」と明かしたが、そこはエース。9回のマウンドに上がる前は荒木投手コーチから「もう1回行くよ」と言われ、上沢は「知っています」と即答してマウンドへ向かった。先頭打者を出して一打同点のピンチこそ招いたが、「先頭が出た時にうまくいかないと思って入ったので、動揺はなかった」と冷静に切り抜けた。

 これで10試合連続QS。安定感の一因は「ただのスローボール」というチェンジアップだ。これまではツーシームの握りでシンカー気味に落とす軌道だったが、1日の広島戦からフォーシームの握りで曲げない軌道にモデルチェンジ。「ただ、遅いだけ。試して(打者の)反応が良かった」と奥行きを有効に使った。この試合は2ストライク後のチェンジアップの比率は今季最多の19・5%。140キロ超の高速フォークが代名詞でもあるが、決め球の選択肢が増えたことで打者を幻惑している。

 愛妻からプレゼントされた「勝負パンツ」も効果を発揮している。開幕投手を務めた今季は開幕2連敗を喫したが、開幕3戦目から薄いピンクと緑の勝負パンツを着用してからいまだ無敗。グラブの内側には、名前に「月」という字が入った愛娘の横顔をイメージした半月の刺しゅうもラッキーチャームだ。あす20日は父の日とあり「父ちゃん、頑張んないと」と柔和な表情で笑った。伊藤、池田と新戦力も奮闘するが、やはりエースは上沢。これからもチームの大黒柱であり続ける。(東尾 洋樹)

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