エンゼルス・大谷 キング独走14号 3度目の3戦連発 年間55本ペース

[ 2021年5月20日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー6インディアンス ( 2021年5月18日    アナハイム )

<エンゼルス・インディアンス>初回、3試合連続本塁打となる14号ソロを放った大谷(AP)
Photo By AP

 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が18日(日本時間19日)、インディアンス戦で、3戦連発となる14号ソロを放った。メジャー3度目の3戦連発で、日本選手では2度の松井秀喜を上回り最多。手の付けられない状況に、中盤の好機では2年ぶりの敬遠も経験。2位に2本差の本塁打メジャー単独トップを維持。19日(同20日午前9時7分開始)の同戦では2勝目を目指し、先発登板する。

 勝負を避けるしかない。大谷の現在地を表すシーンだった。1点を追う5回2死三塁。一発が出れば逆転の場面で打席に立った。厳しいコースを攻められ3ボール。その瞬間、監督通算1724勝の敵将、テリー・フランコナ監督が一塁を指さした。大谷にとっては2年ぶり4度目の敬遠。本拠はブーイングの嵐に包まれた。

 相手にとって「逃げるは恥だが」の作戦が役に立ち、エ軍は1点差敗戦。もはや手がつけられない。相手ベンチに衝撃を与える一発が飛び出したのは初回だった。

 5点を先制された直後。1死走者なしから外角直球を中堅深くにはじき返した。3戦連発でリーグ単独トップを独走する14号ソロ。3戦連発はメジャー3度目で、日本人選手では最多になった。4回はボール気味の外角低めへのチェンジアップをうまく拾って中前へ。ストライクゾーンにいけば危ない。5回の申告敬遠が功を奏した相手右腕プリーサックは「彼(大谷)はスーパースター。特別な才能」と白星を挙げる一方で脱帽した。

 17日の同戦の走塁中に右ふくらはぎを痛めた主砲トラウトがこの日、負傷者リスト(IL)入り。最大8週間の離脱と伝えられた。トラウト不在の苦境で大谷にかかる期待はさらに増す。ジョー・マドン監督は「翔平もそれを分かっている。彼も穴を埋めたいと思っている。それが26歳にして、彼の美しさだ」と一層の信頼を寄せた。

 活躍は今や全米規模だ。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は「今の野球界で最高の選手」と表現。中継局バリースポーツ・ウエストの名物解説者マーク・グビザ氏は飛距離440フィート(約134メートル)の特大弾に「遠く、高く飛ぶ。マーク・マグワイアのような本塁打だ」と通算583本塁打のスラッガーを引き合いに出した。

 5戦4発で、年間では55本ペース。33打点もリーグトップに1差の2位タイと迫った。スポーツ専門局ESPNは「どれほど信じ難いかを表す言葉が尽きてしまった」と困惑気味。打者として手のつけられない大谷は19日、先発マウンドに立つ。(笹田幸嗣通信員)

 ≪日本ハム時代に5連続試合本塁打を記録≫大谷の連続試合本塁打の最長は日本ハム時代の16年5月4~17日の「5」。その間に投手専念の先発登板を2度挟んでいる。メジャー記録は93年のケン・グリフィー(マリナーズ)、87年のドン・マッティングリー(ヤンキース)、56年のデール・ロング(パイレーツ)の3人が記録した「8」。

続きを表示

2021年5月20日のニュース