サブマリンの系譜を受け継ぐ男だ オリのドラ4中川が初陣タカ狩り 中嶋監督「まだまだ見たい」

[ 2021年3月1日 05:30 ]

練習試合   オリックス0ー10ソフトバンク ( 2021年2月28日    アイビースタジアム )

<ソ・オ>5回から登板したオリックス・中川颯は2回無失点の好投(撮影・井垣 忠夫)
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 宮崎キャンプ最後の実戦だった28日のソフトバンクとの練習試合。初日からB班で調整し、今回が初の“1軍戦”だったオリックスのドラフト4位・中川颯(立大)が2回を1安打無失点に抑え、サブマリンの系譜継承へ可能性を示した。

 「緩急と打者のタイミングを外すことを意識して投げました。知っている名前ばかりだったので不安な気持ちもありましたが、やるべきことを考えて」

 5回から登板し、いきなり栗原に中前打を許しても動じない。続く三森を三ゴロ。走者が入れ替わった1死一塁では機敏な動作からのけん制で刺した。「どうしてもクイックが遅くなるフォームなので大学時代から練習した。自信はある方だったので」。昨季50試合で打率・314の真砂は外角スライダーで空振り三振に仕留めた。

 特に左打者に対しては圧巻だ。地面スレスレの下手から浮き上がる軌道で内角高め、そして、対角の外角低めに直球を投げ分けた。最速133キロの直球に、最遅99キロのスローカーブで緩急も自在。中嶋監督は「高いレベルで言わせてもらったら、まだまだ。ただ、良いものを見せてもらった。(開幕1軍)当確ではない。まだまだ見たい」と独特の言い回しで評価。帰阪後は2軍戦で複数回を投げる予定で、先発、救援の両にらみで起用法を探る方針が固まった。

 2月9日に視察した侍ジャパン・稲葉監督からも「今年の活躍次第では…というものを感じさせる投手」と絶賛された。アンダースローでは前身の阪急で通算284勝を挙げた山田久志が有名。レジェンドに続くかもしれない新顔が現れた。 (湯澤 涼)

 ◆中川 颯(なかがわ・はやて)1998年(平10)10月10日、神奈川県生まれの22歳。小雀小で小雀少年野球部に入り、大正中で横浜泉シニアに所属。桐光学園で甲子園出場はなし。立大1年の17年春の全日本大学野球選手権で、59年ぶり優勝に貢献して最優秀投手賞を受賞。1メートル84、80キロ。右投げ左打ち。

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2021年3月1日のニュース