雄星 初実戦で圧巻投球「意図のあるボールを投げられた」 岩隈特命コーチも合格点

[ 2021年2月26日 13:01 ]

菊池雄星(AP)
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 マリナーズの菊池雄星投手(29)は25日(日本時間26日)、今キャンプ初めて実戦形式で打者に投げる「ライブBP」に登板した。打者延べ8人に37球を投げ無安打、1四球、4三振の圧巻の内容。制球重視の新フォームでも球速はこの時期に早くも96マイル(約155キロ)を計測する上々のスタート。今キャンプ初となる報道陣との対面取材も実現した。

 突然のことだった。練習終了後、広報が菊池を率い日本報道陣の前へ。インタビューマイクは広報が持ち、全員マスク着用の報道陣とは約3メートルの距離を保つ。昨年3月のコロナパンデミック以降、初の対面取材が行われ「初日にしてはすごくいい実戦になった」。青く澄み渡る空のもと通常取材への第一歩となった。

 菊池の初ライブBPは中堅をイチロー氏が守り、ネット裏には岩隈久志特命コーチが見つめた。右足を一度止めてから反動を使わずに投げ込むシンプルな新フォームの狙いを「今までは力強くを意識していましたけど、コントロールのプライオリティーを高くすると自然とフォームも削っていかなければいけない」と説明。有望株のラレー、昨季新人王のルイス、主砲ハニガーの右打者3人に直球、カット、スライダー、スプリットの4つの球種でストライク率は63%、直球もコンスタントに96マイルを計測した。

 「全部良くなったと思います。球種一つ一つの精度だったり、意図のあるボールを投げられた」

 完全習得を目指すスプリットでも2つの三振を奪い「ベース板の上で勝負できると空振りも増えてくる。しっかり武器になるボールに仕上げたい」と手応えを口にした。

 優しい表情で見守った岩隈特命コーチは「ストレートに力がありスプリットも良かった。今までブルペンでやってきたことが出せていた」と、自身が現役時代につけていた背番号18を受け継いだ後輩に合格点を与えた。勝負の3年目。過去2年間力を出しきれなかった左腕が内容のあるスタートを切った。(ピオリア・笹田幸嗣通信員)

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