プロ野球・宮崎キャンプ無観客開催で大ダメージ 昨年の経済効果は124億円

[ 2021年1月16日 05:30 ]

昨年のキャンプで西武・松阪の即席サイン会に並ぶ多くのファン
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 宮崎で行われるプロ野球の春季キャンプが無観客での開催となり、同県の経済にも大きな影響を及ぼしそうだ。

 県内の「春季キャンプ・合宿の経済効果」の過去最高は16年の144億6700万円。昨年は124億4400万円と歴代6番目の数字だったが、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたことによる観客減、合宿を行うチーム減などの影響で前年から減少した。昨春はプロ野球が2軍、韓国を含めて8球団、サッカーはJ1~J3の19チームがキャンプを実施。一方で合宿などを行うアマチュアスポーツの団体は前年比162減だった。

 宮崎は球春到来を告げる場所だ。00年には巨人・長嶋茂雄監督がキャンプ地で背番号3のユニホームを披露。1日で球団史上最多の4万8000人のファンが集まるなど大フィーバーした。同年の経済効果は52億円。その後、08年に算出方法が変わり、翌09年には第2回WBCに出場する侍ジャパンが直前合宿を実施。イチロー(当時マリナーズ)が参加して異様な盛り上がりとなり、同年は歴代7位の107億6900万円を記録している。

 現在、宮崎県は独自の緊急事態宣言を発出中。プロ野球のキャンプが無観客となることに加え、合宿などを行うチームがさらに減ることも想定される。県の関係者は「昨年も合宿は途中からキャンセルが増えた。(今年も)経済効果など、県に与える影響は大きいだろう」と話した。

 《巨人、宮崎キャンプ63年目》今季、宮崎県内で1軍のキャンプを行うのは巨人、ソフトバンク、オリックス(宮崎市)、西武(南郷町)の4球団。巨人は1959年が第1回で今年で63年目となる。宮崎市では巨人の前に近鉄が53~58年に行っていた。また、広島、ヤクルトは今季も2軍が日南市や西都市でキャンプを行う。過去には中日、楽天も串間市や日向市などで行った例がある。

 《Jリーグ10クラブも無観客開催か》宮崎でキャンプを行うJリーグのクラブは発表されている横浜、横浜FC、広島、C大阪など約10クラブ。2月26日の開幕に向けて今月中旬以降のキャンプインを予定している。先月の時点から一般観覧を不可としていた横浜などのクラブもあるがガイドラインではキャンプ地の自治体が無観客を要請した場合はそれに準ずるという項目を設けており、今回の要請で全クラブが無観客となる見込みだ。

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