ソフトバンク先勝で日本S新9連勝!栗原、シリーズ初安打が菅野撃ちV弾!3安打&球団最多タイ4打点

[ 2020年11月22日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2020第1戦   ソフトバンク5―1巨人 ( 2020年11月21日    京セラD )

<巨・ソ>6回2死一、三塁、2点適時二塁打を放つ栗原(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 「SMBC日本シリーズ2020」が21日、京セラドームで開幕し、ソフトバンクが巨人に5―1で先勝した。5番の栗原陵矢捕手(24)が2回に菅野智之投手(31)から先制2ラン。シリーズ初安打が決勝弾となり、6回にも2点二塁打で3安打4打点の大暴れだ。チームはポストシーズン記録の連勝を13に伸ばし、18年の第3戦からシリーズ新記録となる9連勝。4年連続の日本一へ、好スタートを切った。 

 あの菅野を打ちのめしたのは柳田でもない。グラシアルでもな い。栗原だ。シリーズ初スタメンで球界を代表する右腕から3安打4打点。決戦前日、左足負傷で離脱中の今宮からLINEが届いた。文面は「日本全国に栗原という名をアピールしてきなさい」――。先輩の言葉通り、新たなシリーズ男として「全国デビュー」した。

 「メチャクチャ緊張したんで何も考えず、ファーストストライクから思い切って打ちにいこうと思った」

 2回無死一塁の初打席。カウント2―0から内角のスライダーを強振すると、滞空時間の長い飛球は先制の右越え2ランとなった。4回も内角の150キロを右翼線二塁打にすると、6回2死一、三塁でも「集中して打ちにいけた」と左中間に2点二塁打を放ち、菅野にトドメを刺した。

 6年目でレギュラーをつかんだ今季は打率・243も、打点はチームトップの柳田に次ぐ73。得点圏打率・333の勝負強さを大舞台で発揮した。「CSはボロボロだったし、(菅野は)凄い投手なんで背負うものはないと思って臨んだ」。無心が、覚醒を生んだ。

 自らを「心配性」と認める性格。ロッテとのCS前の7日に神頼みした。日本三大稲荷の一つで佐賀県鹿島市の「祐徳稲荷神社」を参拝。馬のイラストの「うまくいく守」を購入し、「きっとうまくいく」と念じた。しかし、主力として初めて臨むポストシーズンで力み、2試合で5打数無安打に終わった。それでも「前のことを引きずっても仕方ない。日本の最高峰の投手と戦えるのは楽しみ」と3年前の交流戦で1打席だけ対戦した菅野を相手に燃えていた。

 そして見違えるような大活躍。工藤監督も「素晴らしい投手から、栗原君があのホームラン。CSの時とは思えないくらいでした」と驚いた。印象に残る日本シリーズは15年のヤクルト―ソフトバンクでの山田哲の3打席連続本塁打。栗原は1年目だった。テレビ観戦し興奮した5年後、堂々と暴れた。それも球界最高年俸6億5000万円を誇る巨人のエースを1000万円の24歳が打ち砕いた。

 18年は甲斐の強肩、19年は周東の足、そして今季は5番を打つ栗原の強打がある。「初戦を取れたのは大きいけど、また明日、チームが勝てれば、それでいい。ベストを尽くすだけ」。4年連続日本一へ、また頼もしい若手が台頭した。(井上 満夫)

 ≪シリーズ2打席目 球団最速の初本塁打≫栗原(ソ)が2回にシリーズ通算2打席目で初安打となる初本塁打。チームでシリーズ初打席初本塁打の打者はなく、南海時代の51年第5戦の村上一治、53年第3戦の中原宏の各3打席目を抜く球団最速の初本塁打になった。また、チームでシリーズ初安打が本塁打は53年・中原宏、55年・深見安博、66年・中島博征、14年・李大浩、20年・栗原陵矢と5人目で、決勝弾になったのは栗原が初。

 また、栗原は6回にも2打点を挙げ計4打点。チームでは00年第2戦の城島健司(当時ダイエー)、15年第4戦の李大浩、18年第3戦のデスパイネに並ぶ1試合最多打点になった。なお、シリーズ記録は63年第7戦の柴田勲(巨)と04年第3戦のカブレラ(西)がマークした1試合6打点。

 ◆栗原 陵矢(くりはら・りょうや)1996年(平8)7月4日生まれ、福井県出身の24歳。春江工(現坂井)1年秋は神宮大会4強、2年春センバツは初戦敗退。14年ドラフト2位で入団。プロ初本塁打は昨年7月23日のロッテ戦。今季は右翼、左翼、一塁で起用されたが本来の登録の捕手も3試合に出場。1メートル79、75キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

2020年11月22日のニュース