阪神ドラ3上武大・佐藤蓮 不思議な“因縁”G岡本との対戦熱望「抑えたい」

[ 2020年11月20日 05:30 ]

阪神との仮契約交渉を終え、吉野スカウト(右)から帽子をかぶせてもらう上武大・佐藤蓮(阪神球団提供)
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 佐藤は「輝」だけじゃない! 阪神からドラフト3位指名を受けた上武大・佐藤蓮投手(22)が18日、群馬県高崎市内のホテルで入団交渉し、契約金6000万円、年俸1000万円(金額は全て推定)で仮契約を結んだ。最速155キロ右腕にとって、自慢の変化球が「パワーカーブ」。19年に大活躍したピアース・ジョンソン(パドレス)の宝刀を携え、打倒巨人を果たす。

 プロを生き抜く術は、最速155キロの剛球だけではない。1メートル88、体重101キロという、堂々たる体格。虎の未来を担う大型右腕らしく、仮契約を終えた佐藤蓮が明かしたもう一つの武器は「パワーカーブ」だった。

 「カーブには一番自信がある。よりストレートが生きてくるので、ピッチャーを始めたときからずっと投げている。緩いカーブのイメージではなく、キュッと曲がってくるようなカーブをイメージして投げている」

 鋭い曲がりで縦に落ちる変化球の使い手として、虎党が真っ先に思い浮かべるのが19年に活躍したジョンソンだろう。通称「PJカーブ」を武器に、強打者たちを翻弄(ほんろう)。40ホールドをマークした。わずか1年で日本を去ったとはいえ、抜群の安定感は記憶に新しい。本家の宝刀に現時点で劣るとはいえ、担当した吉野誠スカウトも「非常に切れるカーブが投げられる」と高く評価する。

 上武大では1年冬に右肘の遊離軟骨除去手術を受けた影響で、4年秋まで公式戦は未登板だった。しかし、8月30日のロッテ2軍戦で2回無安打無失点と好投。ドラフト指名への道を切り開いた。

 「対戦する機会があったら、抑えたいっていう気持ちは一番にある。全力で抑えられるように投げていきたい」

 そんな遅咲き右腕が強く意識するのが、巨人の主砲だ。高校時代からのあだ名である「ビッグベイビー」は、岡本が原監督から命名されたものと同じ。不思議な因縁だが、自らの地位を築き上げるにはこれ以上ない相手と言える。

 今季は巨人相手に8勝16敗と負け越したが、岡本を完全に封じ込めれば対戦成績は好転するだろう。そこで手を携えたいのが、ドラフト1位・佐藤輝。同じ名字として、二人三脚での奮闘を誓う。

 「すごい、なにか縁があるかなとは思う。野手とピッチャーで違うんですけど、お互い切磋琢磨して、成長していけたら」

 早くから佐藤輝が注目を集めているが、後塵(こうじん)を拝すつもりはない。「自分はパワーでどんどん押していくのが魅力」。歯切れ良いコメントからうかがえる向こうっ気の強さもまた、大きな武器となる。(須田 麻祐子)

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